『2050年の世界 見えない未来の考え方』とは?
『2050年の世界 見えない未来の考え方』とは、経済学者で経済コメンテーターであるヘイミシュ・マクレイが執筆し、遠藤真美氏が翻訳を手掛け日経BP・日本経済新聞出版より2023年7月21日に初版が発行されました。
どんな内容?あらすじは?
経済学者のヘイミシュ・マクレイが過去と現在をデータ分析をし、2050年はどんな世界になっているかを書かれた内容です。
特徴的なのは、アメリカや日本だけでなく、東南アジアや南米、アフリカといった全世界の各国をパラグラフごとで分析している点。
逆に言うと、世界の情勢がわからないと、未来を予測できないので各国のパワーバランスを考えて書かれているので読み応えがありました。
ネタバレ
早速ですが、日本のネタバレです。
日本の評価は基本的によく、特に民族的な日本ならではの仲睦まじい関係やひたむきさが評価されていました。
特にGDPでは一時的に米国に次ぐ2位まで上昇したのは、素晴らしいことと表現している一方で、
そこから急落した残念な状態であることも記されています。
日本の豊かな島国としての特徴やサービス性の高さを褒めながらも、高齢化社会に向かっていく対策が急務であること。
今の状態を安定させながら、高齢化社会に対する対策が出来上がれば、また経済力を含めて再浮上できる、という内容でした。
注目は中国とアフリカ
特記すべき事項としては、中国の勢いの凄さが書かれていました。
中国は一時は鎖国していたが、アメリカを始めとする各国に開け、その国のテクノロジーや良さを吸収し、成長していった。その躍進は今後も続くであろう。
また、アフリカ大陸も有効資源が豊富で今後はその資源性が有利に働き、今の貧の状態から脱出し、活躍すると書かれていました。
アフリカといっても、色々なアフリカ大陸の国ごとで紹介されているので、それぞれですが、2050年にはアフリカはキーパーソンならぬ鍵になるそうです。
通信革命の結果は?
本著の面白い点として、スマホやインターネットといったIT・通信革命がどれだけ経済効果を起こしたかを記しています。
ネタバレでいいますが、ほとんどなかったと。
基本的にITや通信が進化したとしても経済効果としてはわずかなもので、実はそこまで大きな影響を及ぼしていないそうです。
たしかに便利にはなりましたが、CDがデジタルに変わったり、サブスクになり、安価なものが増えたり、ゲームも無料なものが増えただけで経済的にお金が回っている状態ではないですよね。
※たしかに日本からアメリカをみたら、アメリカのGAFAとかに資金は流れていると思いますが。
そのため、今後ネットが発達しても、そこまで大きな未来転換は起こらないと記されています。
また、その点ではAIも同様で、AIが進化や浸透をしても、めちゃくちゃ革命的に経済効果が高まるわけではないと本著では綴られていました。
まとめ
2023年になり、2000年代も20年以上も経過しましたね。
スマートフォンやSNSなど目まぐるしく世界は変わるし、戦争や紛争も耐えることなく続いています。
残り27年程でどんな未来が来るのでしょう?
少し先の未来予想図を、本著で見つけてみるのをおすすめします。