『金融ダークサイド』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『金融ダークサイド』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ お金

『金融ダークサイド』とは?

『金融ダークサイド』とは、元山口組の組長である猫組長こと菅原潮氏が金融やマネーの世界に関する裏側にスポットを当てて紹介した本です。株式会社講談社から2019年7月25日に出版されました。

どんな内容?あらすじは?

『金融ダークサイド』は、お金に関するネタや話題、特に裏社会でのお金の流通について書かれた内容です。特に元トヨタのCEOゴーン氏の事件についても言及しており、詳しい視点で興味深くて面白です。

本書は、第一章が、元経済ヤクザが明かすゴーン事件の最深層。

第二章が、世界を行き交うマネーのシステム

第三章が、獲物を狙うアメリカ

第四章が、私の黒い経済史

第五章が、マネーのブラックホール

第六章が、金融閉鎖列島を脱出したブラックマネー

第七章が、フィンテックが生み出す新世界

合計7章で作られた本となっています。

『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法』や『投資家の父より息子への13の遺言』、『「アルティメット富裕層」という生き方』に似た内容です。

ネタバレ

本書は、ゴシップ雑誌のようなイメージでしたが、実際は、ジャーナリズム性のある内容で深く読み取る事ができて面白いです。

2018年11月19日にルノー・日産・三菱アライアンスの会長兼最高経営責任者(CEO)だったカルロス・ゴーン氏が金融商品取引法違反容疑で逮捕されました。

自らの役員報酬について10年度からの5年間、約50億円を有価証券報告書に希少記載したのが、今回の容疑です。

マネーロンダリングの影

今回の事件の発覚は内部告発で、日産に60億円を出させて、オランダにトンネル会社を設立。さらに、20億円をタックスヘイブンのイギリス領バージン諸島に登記された複数の孫会社に移転し、海外の高級住宅購入などに充てていたそう。

これは、資金を移転さえて自己に還流させるという古典的なマネーロンダリングの手口を利用していたのでした。

原因は?

もともとカルロス・ゴーン氏は、個人で金融運用をしていましたが、リーマンショックの影響で18億円の損失を出しました。

通常はロスカットと言われる損切りを行うのが通例ですが、カルロス・ゴーン氏は、新生銀行に対して、個人保証で追加金を頼んだのです。

しかし、新生銀行も銀行です。損失を出している人間にお金を渡す銀行はありません。そこでカルロス・ゴーン氏は、日産の会社を利用して、保証・担保にしてお金を出すという形を作ったのでした。

最初の洗浄はコインランドリー

カルロス・ゴーン氏の事件については、とても内容が濃いため詳しくは本書を読んでください。それくらいピックアップするのにも大変なほど詰まった内容です。

では、そもそもマネーロンダリングの呼称はどこから来たのでしょうか。

1920年にアメリカで「禁酒法」が実施され、マフィアが密造酒を製造。そのお金をコインランドリーをいくつか所有し、黒い金を紛れ込ませることで、「コインランドリーで儲けた」と説明したのが、マネーロンダリングの由来と言われています。

まとめ

本書、『金融ダークサイド』は、裏社会に通じている著者が、その経験を元に、カルロス・ゴーン氏の事件や、実際に起きた出来事、マネーの未来について言及しているという珍しい着眼点となっています。

そのため、単位も億単位で一般人には参考になりづらいですが、読み物としては上手にできているので、暇つぶしに読むのをおすすめします。

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