『元国税専門官がこっそり教えるあなたの隣の億万長者』とは?
『元国税専門官がこっそり教えるあなたの隣の億万長者』とは、元東京国税局員の小林義崇が執筆し、2023年2月7日にダイヤモンド社より出版されました。
どんな内容?あらすじは?
『元国税専門官がこっそり教えるあなたの隣の億万長者』は、元東京国税局員だった筆者が、仕事柄出会った億万長者や富豪、富裕層の暮らしぶりから、執筆された内容です。ノウハウやハウツーが多く参考になることが多いでしょう。
1章は、【家計】富裕層は驚くほど質素に暮らす
2章は、【資産運用】富裕層ほど投資で儲かりやすい
3章は、【生活】富裕層は大きな犬を飼う?
4章は、【家族】富裕層は教育費に糸目をつけない
の合計4章、27コラムで構成されています。
『1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました』や『となりの億万長者』のような本となっています。
ネタバレ
本書は富裕層やお金持ちの人々にクローズアップされて紹介されていますが、けして大金持ちではなく、中小企業経営者や不動産オーナー、個人事業主が多いのです。
地域に密着したマッサージ師や工務店の職人など一見すると富豪とは程遠いように感じますが、実はしっかりとしたお金持ち。小金持ちとでもいうべきでしょうか。見習う点がとても多い。
節税から脱税まで
基本的に本書のエピソードに出てくる人は、会社員やエリート職員ではなく、個人事業主の話になります。
個人事業主のメリットとして一番大きいのが、経費です。
仕事とプライベートが曖昧になりやすく、経費で落としやすいのが特徴。
というのも「クロヨン」という言葉をご存知ですか?
9・6・4で、給与所得者→自営業→農業従事者の順で所得税率が異なるのです。知らなかった。
自営業になることで、正当な節税が可能になり、所得税率が低くなります。
最近話題のインボイス制度も似たような税金逃れの方法を取り締まる役割があるのでしょう。
戦略的に収入を得ながら年金をもらう
年金も重要です。
60歳以降も働くのであれば、「在職老齢年金」のルールが重要です。
60歳以降も働き続けるさいに、月額双方酒が47万円を超えると、もらえる年金額が減ってしまう。
これは怖い。特に自営業や自分でフリーランスで働いている人ほど、長く働き続けやすいもの。
1ヶ月あたりの年金と賃金の収入が47万円を超えないようにしましょう。
ちなみに、現状のルールでは、月給65万円、賞与150万円で厚生年金の最高額がもらえます。
また、年金収入が年間400万円以下の場合、「確定申告不要制度」を使うことができます。
成長する資産にお金を投じる:プラスサムゲーム
資産家は、ギャンブルなどマイナス要素が大きい、「マイナスサムゲーム」には参加しません。
例えば、宝くじは、公式サイトによると、2021年の還元率は46.2%と半分以下。
これらはテラ銭といって胴元が抜き取る仕組みになっているからです。
宝くじなら印刷代から宝くじ売り場まで。
結果としてかけた額よりも回収率が低いのが実態です。
逆に、NISAやiDeocoのようにかけた分だけ、税金控除が受けられたりメリットが高いのを「プラスサムゲーム」と予備優遇税制措置を利用し、大きく投資しているのです。
小規模宅地等の特例
住む場所にも富裕層はこだわっています。
しかし、広くてお大きいいえでなかう、敷地面積のうち330平方メートルまでだと評価額が80%も減税されるのです。
上手に広さや大きさに合わせて物件購入をすると、売却時にも税金の優遇が受けられます。
気になる方は一度調べてみてはいかがでしょうか?
まとめ
元税務官が執筆した本書。読みやすいのに加えて、具体的なデータやエビデンスがしっかりとされており、いわゆる一般的なマネー本に比べて読み応えがありました。
とはいえ、一発逆転のノウハウはないので、堅実にお金もちになりたい人におすすめです。
当たり前ですが、電気代を節約した方がいいとか、携帯電話をMVNOにしたほうがお金が抑えられるといった内容は書かれていません。