『競争優位の仕組みを見抜く&構築する ビジネスモデルの教科書【上級編】』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『競争優位の仕組みを見抜く&構築する ビジネスモデルの教科書【上級編】』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ 書評
『競争優位の仕組みを見抜く&構築する ビジネスモデルの教科書【上級編】』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『競争優位の仕組みを見抜く&構築する ビジネスモデルの教科書【上級編】』とは?

『競争優位の仕組みを見抜く&構築する ビジネスモデルの教科書【上級編】』とは、エモリー大学のビジネススクールでMBAを取得したエミネンスLLC代表の今枝昌宏氏の執筆によるビジネスモデルの作り方や既存のビジネスモデルについて紹介している本で東洋経済新報社より出版されました。

どんな内容?あらすじは?

『競争優位の仕組みを見抜く&構築する ビジネスモデルの教科書【上級編】』は、ビジネスモデルの説明から設計方法まで実践的な内容が網羅されています。第一部がビジネスモデル総論、第二部がビジネスモデル各論1、事業の内部モジュール編、第三部がビジネスモデル各論2とし、事業全体を貫く仕組み、流れ編、第四部がビジネスモデル各論3、事業感の仕組み、そして第五部が有効なビジネスモデルの構築方法という構成となっています。

ネタバレ

本書『競争優位の仕組みを見抜く&構築する ビジネスモデルの教科書【上級編】』のおすすめな部分として、具体的な企業のビジネスモデルを紹介しているため、机上の空論に収まらず具体性を帯びている点です。

例えば、アズ・ア・サービスとしては、キャノンや、ダスキン、ロールス・ロイス、ブリヂストンがラインナップとして紹介されていたり、顧客のコミュニティ化であれば、ハーレー・ダビッドソンやニコン、ルイ・ヴィトン、シャオミといったブランドが共通のビジネスモデルを持っています。

また、サプライチェーンとして製造業であれば、GAPやファースリテイリング(ユニクロ)、Zoff、眼鏡市場、イケアが台頭に上がっていますし、金融による顧客の囲い込みであれば、NTTドコモやオリックスに加えて、アマゾンジャパンや農協も同じ、括りになっているのです。

個人的に面白かったのが、財務モデルとして、定額制を持っている、アップル、Netflix、そしてメニコンとラウンドワンが挙げられています。

例えば、定額制でAppleといえば、Apple Musicが人気でした。月額固定料金を支払えば、3000万局を楽曲が聴き放題。特にAppleはiPhoneやマッキントッシュという端末があるので、より固定サービスを展開しやすいのです。

この辺は、GAFAの強みでもありますね。

また、次世代、GAFAとして控えているのが、ネットフリックスですが、こちらも、月額固定料金で映画をオンデマンドで見放題になります。

日本でも、DMM.comがDVDの月定額レンタルで成功したのです。

他にも、OneGOという出張者向けのアメリカ国内線の飛行機乗り放題サービスもあります。

これは、いわゆるマネタイズとして、価格の決定方法についてのビジネスモデルを考えなければなりません。サービスを対象に利益を得るには、「定額制」「従量制」→例として走行距離に比例した保険料の自動車保険などがあたります。

他にも、「成功報酬」として人材派遣会社や弁護士の勝訴の報酬などがあります。

他にも、レベニューシェアとして、一定の価格徴収をした際に、両者で折半(割合は契約ごと)で決めるものあります。

落とし穴

そんな定額制にも落とし穴があります。費用構造のつながりを持たないため、顧客が自由に価値を消費する結果、費用が予想以上になる可能性があるのです。

従量制であれば、顧客がどれだけ使おうとも収入として返ってくるのですが、定額制だと想定よりも多く使われると、コストが増してしまうのです。その為、1顧客が従量制から定額制にするとどれくらい使用量が変化するのか見極めてから価格を設定する必要があります。

しかも、コンテンツを自社で生産しない場合は、中間業として定額制を提供する形になり、コンテンツ提供者から仕入れる価格設定を意識しなければなりません。

定額制コンテンツ・サービスの場合、総収入からサービスのマージンを差し引き、コンテンツの視聴時間の割合でコンテンツの所有者に分配するような仕入れ価格設定となっています。この辺はレベニューシェアにあたりますね。

まとめ

定額制をピックアップしましたが、他にも参考になるビジネスモデルが豊富に取り揃えてあるので、読み応えのある内容となっています。また、状況やサービスプロバイダとして役割が異なれば、読み方も変わると思うので、新規事業開発をする方やこれから起業する方には、特におすすめの一冊となっています。

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