『ネクスト・ブロックチェーン 次世代産業創生のエコシステム』とは?
『ネクスト・ブロックチェーン 次世代産業創生のエコシステム』とは、RIETI所長である矢野誠氏、ブロックチェーンシステム開発及びコンサルティングのレシカの創業者であるクリス・ダイ氏、東京大学法科大学院客員教授である、増田健一氏、中小企業基盤整備機構業務統括役である岸本吉生氏、レランドキャピタル共同設立者であるスティーブン・プー氏、ビジネス・ブレークスルー大学准教授で、ブロックチェーン講座を担当している小林慎和氏、Curvegrid株式会社のウィリアム・メトカーフ氏、筑波大学システム情報系准教授である面和成氏の8名の共著で2019年9月17日に日本経済新聞出版社より発刊されました。
どんな内容?あらすじは?
『ネクスト・ブロックチェーン 次世代産業創生のエコシステム』は、仮想通貨に留まらず、ブロックチェーンとは何か、どういうものかを説明し、さらに次世代にどういった活躍が期待されているかを説明した、文献に近い内容となっています。
序章が、サイバー・エコシステムへの道、第一章が、ブロックチェーンと新しいエコシステムも創生、第二章が、高質なIoTビッグデータ市場の創出、第三章が、ブロックチェーン技術によるIoT革命、第四章が、通貨の経済学、第五章が、仮想通貨取引所、第六章が、分散型ビジネスの基盤、第七章が、価値のトークン化と分散型市場(DEX)、第八章が、ブロックチェーン・エコシステムを支える規制と制度設計、補論が、ビットコインとブロックチェーン技術の合計10章から構成されています。
『フラグメント化する世界 ーGAFAの先へー』や、『明日のメディア 3年後のテレビ、SNS、広告、クラウドの地平線』に似た内容となっています。
ネタバレ
本書『ネクスト・ブロックチェーン 次世代産業創生のエコシステム』は、仮想通貨で話題となったブロックチェーンとは何か、どういったシステムなのかを説明。また仮想通貨もビットコインからイーサリムやダップスなど、種類がそれぞれ異なります。どういった物のなのかを詳しく解説してくれています。
また、IoTを始め、今後ブロックチェーンが本格的に取り組まれると、どういった世界へとなっていくのかを次世代ブロックチェーンとして紹介してくれています。
ソサエティ5.0
IoTを使って社会からデータを集め、ビッグデータを作って、AIで分析することで、社会に還元することができます。
これまでの情報社会はソサエティ4.0といい、知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありました。
ソサエティ5.0のイメージするもので、サイバー空間(仮想空間)と物理的空間(現実世界)が融合して、IoTですべての人とモノがつながり、様々な知識と情報が共有され、今までにない新たな価値が生み出されました。人工知能(AI)によって、必要な情報が必要なときに提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの克服ができるとされているようです。
市場の質理論
根本的に市場の質を考えなければなりません。
市場の質については、効率性と競争上の公正性の両方を反映する規範的な尺度として定義されています。
第一命題が、健全な経済成長には、高質な市場が不可欠である。
第二命題が、高質な市場を維持するには、適切な市場インフラが不可欠である。
この2つの命題が、産業革命と呼ばれる大規模かつ急激な技術的進歩を観察することがで導かれるのです。
知的財産権があり、第一次産業革命。
工場労働者の搾取、労働法、が決まり、第二次産業革命。
情報操作に始まる大恐慌産業独占の形成、証券法、独占禁止法が決まり、第三次産業革命。
データ独占、金融聞き、そして新しい所有制度、新しい通過制度が今後行われるのではないかと言われています。
機械の収益化&その後のトークン化
センサーによって、監視される多くの資産は、収益機会を創出します。
しかし、実際に使用するためには、莫大な先行資金が必要にあり、多くの新規事情にとって、従来の資金調達ルートを通じて資金や融資を得ることが困難なのが、現状です。
ブロックチェーンを使って、データアンカリングされれば、収益機会をリアルタイムで追跡することができ、収益機会を評価するデータが提供されるだけでなく、将来の見通しも得ることできます。
企業は、ブロックチェーン上でデジタルトークンを発行することで、収益機会の持ち分に対して、投資をするよう潜在的な顧客に働きかけることできるのです。
仮想通貨取引所の事業収益はどこから生まれるの?
話題となった仮想通貨。そもそもこの仮想通貨取引所は、どういったサービスがあるのでしょうか。
一つは、取引マッチング。
取引マッチング(板取引)とは、取引する価格と購入量を決める「指値」、価格は決めず取引量だけを決めて注文を行う「成行」、最低価格を設定した上で、その価格まで取引を進める取引注文を入れる「逆指値」が一般的です。
これは、株式取引、株投資と同じですよね。
取引の手数料が、収益となります。
もう一つが、販売(買取)サービスです。
これは利用者同士のマッチングではなく、利用者と取引所が一対一の倍々関係となるのです。
「スプレッド」と呼ばれる、価格差。これが取引所の収益となります。
旅行で海外へ行く際に空港で両替を行いますが、それと同じ構造となっています。
他に、出金手数料や上場手数料が収益となりますが、規模は小さいものです。
まとめ
仮想通貨やブロックチェーン、名前は聞いたことがあるけど、どんなものなの?その仕組みが斬新かつ未来的です。
本書では、ブロックチェーンを使って、IoTやビッグデータで絡ませて既存のサービスがより進化していくのを説明してくれています。
例えば、自動販売機。晴れの日、雨の日、夏、冬、春夏秋冬、休日、平日などその時期要因で売上が変化していきます。そのデータをブロックチェーンを使うことで、情報を変えたりし、より売上に直結させることができるわけです。
自分が聞いた話では、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのRPGで貯めたゲームの世界のお金を現実世界のお金へと替えることができるそうです。
確かに、現在でもポイントが現金の代わりに支払いできるようになりましたよね。スマホがあればPaypayやLINE Payなどで支払える。これは画期的でしょう。
今後は、仮想通貨がその役割を担うのかもしれません。気になる方は本書をおすすめします!