『成り上がる女の法則』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『成り上がる女の法則』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ 書評

『成り上がる女の法則』とは?

『成り上がる女の法則』とは、歌舞伎町のキャバクラ「アップスグループ」のオーナーである、内野彩華氏の執筆で2019年10月31日に株式会社扶桑社より出版されました。日刊SPA!の連載を加筆修正されたものです。

どんな内容?あらすじは?

『成り上がる女の法則』は、10代の頃より夜の仕事を行いながらも津田塾大学を卒業後、日本オラクル株式会社に新卒入社。しかし25歳で自分のキャバクラのお店を開業してから10年以上夜の仕事をしてきた著者による、夜の仕事のエピソードや出世する人、だめになっていった人などをエピソード満載で綴った本です。

第一章が、成り上がるための法則①過去は捨てる

第二章が、成り上がるための法則②みんなと同じ土俵で競争しない

第三章が、成り上がるための法則③ホンモノの「武器」を見つける

第四章が、成り上がるための法則④ニセモノを見分ける

第五章が、成り上がるための法則⑤小さい山の「お山の大将」になる

合計5章から構成されています。

『武器になる哲学』や『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』、『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』に近い内容となっています。

ネタバレ

キャバクラや高級クラブというとどういうイメージを持っていますか?

綺麗で会話の上手な女性たちが、お客さんを気持ちよくお酒を飲ませて、楽しむ社交場。ドラマでも昔『お水の花道』なんてのがありましたね。

本書、『成り上がる女の法則』では、その想像通りの内容となっています。

しかし、イメージやバイアスが先行して、本当に夜の水商売の仕事について理解していますか?

例えば、「稼げる・稼げない」キャバ嬢の差について触れています。

稼ぐというと、一ヶ月で1000万円以上稼ぐキャバ嬢もいますが、税金で500万円も徴収されてしまうのです。

しかし、5年間で5000万円を貯蓄したキャバ嬢もいました。

彼女は、普通の会社員と同様に、毎日遅刻もせず健康に気をつけて出勤。なぜかというと客商売のキャバクラにとって、欠勤や病欠だと、訪れたお客さんががっかりして、次から来なくなるかもしれないからです。

3つのルール

1つ目が、お客様の情報を手帳に記す。

これは、当たり前の部分でもありますが、特徴や好み、何気ない会話からヒントをもらい、それを記しておくのです。そうすることで、会話にも困らないし、相手も関心を寄せてもらっているという意識が芽生えるのです。

2つ目が、定期的に近況を報告する。

自分からアクティブに動くのですが、定期的に自分の近況をメールしていたそうです。

「お店に来てほしい」ときだけ、誘いの連絡をすると、都合の良い扱いと感じますが、定期的に人間関係を築くことで、良好な間柄でいられるのです。

3つ目が、テレビのネタを拾っておく

これは、新聞やウェブニュースに近いと思いますが、相手が面白いと言った情報番組を欠かさずに見て、仕事の話をされてもきっちりと対応できたのが評価されていたのでした。

ビジネスに万人受けはない

本書『成り上がる女の法則』で、面白いのは、上記のようにマメで真面目なキャバクラ嬢もいれば、割り切った女性もいました。

「連絡が取れなくなってラッキー。お金にならないなら、次にお金になる人を見つければいい。お金にならない人に無駄な時間を咲かなくてラッキー」と。

お客様というのは、人間ですので、良し悪しを持っています。

その中で、お金を沢山持っており、たくさん落としてくれるのが「太客」。その逆が「細客」になります。

どの人が、太客で、細客かというのは一見ではわからないし、時間は誰もが平等です。数撃ちゃ当たるではないですが、たくさんの人にアプローチをして、その中から当たったお客様を獲得し、さらにその中からお金を落としてくれる人を相手にしたほうが、合理的かつ効率が良いのです。

高級ボトルの入れ方

さらに、お金を落としてくれる所謂お金持ちであっても、お店で高いお酒を理由もなく頼んでくれるわけではありません。

では、どうするのか?

誕生日やクリスマス、イベントごとを上手に使うのは一般的ですが、「同伴のときにもシャンパンしか飲まない」というテクニックを使っているキャバ嬢もいたのです。

確かに、同伴で、お店へ行く前や、アフターでお店の後に、言った居酒屋やレストランでビールや安いお酒を飲んでいたのに、お店では高いお酒を頼んで欲しいというのは、下心が見えすぎです。

そうではなく、「シャンパンしか飲めない(飲まない)」というセルフイメージを確立しておくことで、お店でも高いお酒を自然とオーダーできるのです。

まとめ

本書『成り上がる女の法則』では、キャバクラや夜の世界のエピソードも満載ですが、どちらかという人間力を磨く方法が網羅された書籍となります。

営業といっても、枕営業などもありますが、本書でもしっかりとその怖さと、諸刃の剣である部分を説明してくれています。

どの仕事もそうですが、簡単な抜け道はなく、真面目さと勤勉さ、そしてちょっとの工夫が成功の鍵となるのです。

そして、もう一つ。成功の合否を、「お金」にすると、虚無感や心身をすり減らし、結果不幸になることも多々あります。

本書では、そのゴールの上で、何が手に入るのか、自分にとって幸せとは何かを問い詰めた鏡のような一冊でもあります。単純なビジネススキル以上のものを知りたい方におすすめです。

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