映画『おいしい生活』(Small Time Crooks)とは?
ウディ・アレンが監督と脚本、そして主演を務めた人気作『おいしい生活』。ウディ・アレンといえば、日本でいう三谷幸喜氏のような真面目なストーリーの中にユーモラスなパーツが散りばめられたコメディ作家。
あらすじは?
あらすじは、そんなウディ・アレンが演じる元ギャングのレイと、妻のフレンチーが、銀行強盗を企てるというもの。しかし、銀行強盗といっても、押しかけるのではなく、近隣の空き家を利用して、地下を掘って潜り込もうという斬新な内容です。
しかし、カモフラージュで行ったクッキー販売が人気を博し、仲間や警備員(警察)を巻き込み、思わぬ結果から富豪へと登り詰めていくのです。
ネタバレ・結末とは?
お金を目的として始めた銀行強盗が、犯罪をせずに富豪になったことでお金が入り、享楽に包み込まれるのですが、成金ならではのセレブたちとの付き合いに戸惑ったり、逆にお金を狙う人たちが現れたりと苦労が耐えません。
むしろ、苦労が増えたのかも?ウディ・アレン演じるレイと妻も喧嘩別れをするのですが、そこはウディ・アレン節が利いており、ふたりは仲直りするのです。
原題、「Small Time Crooks」の意味は?
本作の面白いポイントのひとつに、タイトルがあります。原題英語は「Small Time Crooks」、意味を訳すと「三流 詐欺師」。小悪党やチンピラなんて意味でも使われて訳されます。
そして、その原題を日本語タイトルにしたのが「おいしい生活」。糸井重里氏が作ったキャッチコピーのようですが、人気が出た「クッキー」が由来だったり、ひょんなことからお金が入り「おいしい」思いをしたり、文字通り、金持ちになり「おいしい生活」だったりと、この邦題は秀逸だと思います。
本作はゴールデングローブ賞に主演女優賞としてトレイシー・ウルマン がノミネートされたり、 全米映画批評家協会賞には助演女優賞としてエレイン・メイが受賞しているほど人気のコメディ作品です。
また、面白いポイントとしては、アメリカの配給会社は、ドリームワークス(DreamWorks SKG)が配給しているのですが、ドリームワークスといえば、映画監督のスティーブン・スピルバーグやデヴィッド・ゲフィンとディズニーのジェフリー・カッツェンバーグの3者が起業した映画会社として話題になりました。
ディズニーといえばこちらもチェック!
映画の配給会社の利益は、映画自体のヒットも関係していますが、公開後のレンタルや映像配信サービスといった二次利用の売上が大きいのです。余談ですが、映画会社の東映に勤めている知人曰く「東映は映画作品じゃなくて不動産事業で成り立っている」とのことです。現実はシビアですね。
そんなわけでドリームワークスは他社に比べて持っている作品数が少ないため、経営危機に直面するのですが、その予測をしていたのか、本作品後を境に『さよなら、さよならハリウッド』(Hollywood Ending)や『スコルピオンの恋まじない』(The Curse of the Jade Scorpion)などウディ・アレンの作品をたくさん配給しているのです。もしかすると専属契約のような契約を結んだのかもしれませんが、安定的にヒットを出してくれる監督として重宝されたのが想像つきます。
まとめ
話が脱線してしまいましたが、そんなキッカケともなった『おいしい生活』(Small Time Crooks)。一人で観ても、恋人と観ても、家族で観ても、楽しめて、さらに古さを感じないので、気軽に観られる映画でしょう。
あとは、どうやって現実で「おいしい生活」になれるか、考えてみてもいいかも?