『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』とは?
『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』とは、原作がブライアン・セルズニックの小説『ユゴーの不思議な発明』。監督をマーティン・スコセッシが務め、主役の少年役を大きな瞳のブルーアイズが印象的な『僕と世界の方程式(A Brilliant Young Mind)』のエイサ・バターフィールドが演じました。パラマウントより配給された映画です。
どんな内容?あらすじは?
『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』は、駅の裏側でこっそりと生活しているヒューゴ・カブレという少年は、駅の時計を直しながら、駅のカフェやおもちゃ売り場の物を万引きし、生活をしていました。
駅を巡回する鉄道警察員と警察犬に追われながらも、なんとか生きていたが、そこには大きな秘密があったのです。
舞台は、フランス、パリのモンパルナス駅を舞台にしているだけあり、クラシックながらもおしゃれで素敵な、ファンタジーな世界が広がっています。第84回アカデミー賞で撮影賞や美術賞など5部門で受賞したほど、魅了される世界観。
ネタバレ
少年ヒューゴは、ジュード・ロウ演じる時計屋の父親と二人暮らし。父親は、博物館に贈呈される前の機械人形を見つけ、2人で修理をしていたのでした。機械人形は、心臓の部分にハート型の鍵穴があり、そこに差し込むことで、ゼンマイが周り自動書記を行うのです。
しかし、ある日、父親は博物館の火事に巻き込まれ死去。少年ヒューゴは、駅の裏で時計修理を行っている酒飲みの叔父さんに引き取られ、彼に修理の技術を教え込まれ、彼の代わりに働くのでした。そして父親との唯一の形見である、その人形を大切に直しながら……。
ジュード・ロウは、『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』よりもこういった安心感のある温かみのある父親役の方が似合っていますね。
『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』の秘密
本映画『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』のネタバレですが、駅でおもちゃ屋を営むある男性の思い出の品がその機械人形だったのです。
男性は、昔、演劇をしており、サーカスでシネマ、映画を上映しているのを目撃し、映画に魅了されました。まだチャップリンが登場するずっと前のことです。
大枚を叩いて、映画スタジオを設立。フィルムを回して、上映し一躍映画という新しい世界が広まったのでした。
しかし、現実は残酷です。戦争が勃発し、人々は映画よりも現実の世界に戻り、映画産業は廃れていったのです。
男性は、残ったフィルムを売りそのフィルムは、燃やされハイヒールの踵に変化。その僅かなお金をもとに、駅でおもちゃ売り場を出したというわけでした。
少年ヒューゴと、機械人形、そして男性の過去と現在。すべてが一つに繋がったときに、フィルムという思い出とともに、運命が動き出すのです。
まとめ
『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』は、最初の導入を観ると、1930年代の厳しい世界が広がり、たくさんの孤児、失業者、戦争などが映し出され、孤児の少年が逞しく生きていく物語かと思いました。
実際に、鉄道警察の男性は、ヒューゴを捕まえた際に、「孤児院へ行くのだ。そこで教育を受け、目立たつ、他人に迷惑をかけず、一人で生きていく術を身につけるのだ。私のように」と、残酷の過去を吐露する場面があります。
親のいない子供を、ファンタジックな世界の側面で映し出し、その行間を読み取ると、世界名作劇場のような、悲しみを感じ取ることができるでしょう。
さらに、悲哀に満ちた大人たち。映画産業はすぐに廃れると思ったが、戦争を除けば人々を魅了したのは、現在のスマートフォンや仮想通貨、新しいビジネスにも言えることです。
こういった、点と点を結びつけ、違和感なくドラマに仕立て上げた本映画『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』は流石の一言。ぜひご家族や恋人、一人で観てほしい作品で、おすすめです。
雪が深々と降るパリと時計裏から垣間見えるエッフェル塔が幻想的で美しかったです。