『Summer of 85(ÉTÉ 85)』映画のレビュー、感想、あらすじ、ネタバレ

『Summer of 85(ÉTÉ 85)』映画のレビュー、感想、あらすじ、ネタバレ 映画

『Summer of 85(ÉTÉ 85)』とは?

Summer of 85(ÉTÉ 85)』とは、エイダン・チェンバーズの小説『おれの墓で踊れ』を元に、フランソワー・オゾン(François Ozon)監督による2020年に公開されたフランス映画です。主演をフェリックス・ルフェーヴル(Félix Lefebvre)が主演を務めました。2021年のセザール賞で作品賞、監督賞、男優賞などにノミネートされました。

どんな内容?あらすじは?

『Summer of 85(ÉTÉ 85)』は、1985年のフランス・ノルマンディーの海と空の青い景色が美しい街並みと時代背景を舞台にしています。


主人公のアレクシ(アレックス)は16歳。ある日友達からヨットを借りて一人海へ出たところ、転覆してしまい、溺れかけていたところを同じ街に住むダヴィッドに救われたのをきっかけに二人の友情が始まります。

次第に友情は愛情へと代わり、二人は愛を育むのですがヒョンなきっかけで仲違いをし、ダヴィッドはバイク事故で急逝。

アレックスはダヴィッドとの誓いを守るために彼が眠る墓の上で踊るのです。

エゴイスト』や『秘密のキス(Baisers cachés)』のような映画です。

ネタバレ

アレックスとダヴィッドは海のハプニングで出会うのですが、ダヴィッドは麗しいアレックスに一目惚れをし、親切に気遣い彼と仲を深めていくのでした。

一方、アレックスは商店を営む裕福なダヴィッドの豪華なお家と、端正なルックス、綺麗な身体のライン、そして奔放でミステリアスなダヴィッドに少しずつ惹かれていくのです。

次第に仲良くなった二人は、友達以上の関係となり、楽しい時間を過ごすのでした。

関係が壊れたのはケイトのせい?

ダヴィッドは、ご覧通り魅力的な男性です。一言でいえば遊び人気質。誰か一人に支配されたくない思いから、偶然出会ったイギリス人女性のケイトと遊んでしまい、アレックスは自分がいるのにないがしろにされたことと合わせて怒り心頭、仲違いしてしまうのです。

ダヴィドが死んだのはなぜ?

喧嘩し店を出ていくアレックス。追いかけるダヴィドは気持ちが喪失し涙を流すのです。

そのあとにバイクを走らせ事故に至る。

ダヴィドは、アレックスのことを愛していたのです。

けれど、彼自身の気質では一人の人間だけを愛し続けるのはできないのを知り、

自暴自棄になったのだと思います。

もし、遊び相手としてアレックスを見ていたのなら、あそこまで意気消沈はしないでしょう。

実際に父親が過去に亡くなっていることも起因しており、見かけと裏腹に繊細な人物像が見受けられます。

急展開の後半

ダヴィドを失ったアレックスは茫然自失となるも、ケイトに相談し、彼女の友達のフリをして女装をして遺体安置所まで忍び込むほどにまで。

遺体と対面し、抱きつくことで女装がバレて逃亡。

さらに、ダヴィドの母親に葬儀には参加させてもらえず、写真ももらえず、後悔と苦悩の毎日を過ごす日々。

夜中に墓場に忍び込む、結果彼の墓の上で、彼に聴かせてもらった音楽を聞きながら誓い通り踊るのでした。

ケイトの言葉と判決

警察に見つかり捕まることになったアレックス。

しかし彼は反論も弁解もできずにいて、文学の先生に勧められた文章を書くことで彼との出来事、アレックス自身の無実を証明するのでした。

そんな中、ケイトはアレックスに打ち明けるのです。

「ダヴィドはそんな人ではない。彼のルックスや表面に惹かれたけれど、心の中(性格)はあなたが創造したものよ」、と。

実際に、ダヴィドはアレックスが転覆させたヨットを自分が戻しておくと言いながら戻さずにいたり、

酔っ払って介抱した青年のもとへ行き遊び相手として遊んだり、さらに嘘をついて朝方に帰ったりと、誠実とは真逆の人間です。

アレックスは思い当たる節があるにも関わらず、それらを心の奥に閉じ込めており、ケイトとダヴィドの不貞により爆発したのが真相だったのです。

まとめ

ピュアなラブストーリーと思いきや、アレックスの一方的な初恋物語だった作品。ダヴィドのような魅力的な男性に惹かれてしまうのも理解できるし、何度となく嘘や偽りを突きつけられても、楽しい時間と楽しい日々には勝てないですよね。

実際に、ダヴィドを演じたバンジャマン・ヴォワザンは、ダヴィドを演じるうえで「難しくなかった」とインタビューで答えています。

女性のファム・ファタールのように、アレックスにとって、そして観客や監督にとって便利で魅力的な男性を人形のように演じているだけだったので、わかりやすかったと話しています。

そんな真実もあってのことか、判決結果はボランティア活動のみで許され、そこで再会した酔っ払った青年と新しい恋を予感させる再生へと向かって終わるのでした。

作品としてはありきたりな展開を、フランソワ-オゾン監督の上手な色彩豊かな風景と、瑞々しい青年二人の演技でグイグイ引っ張っていく映画でした。カップルで観るのにおすすめです。

特に、主人公を演じたアレックス役のフェリックス・ルフェーヴル(Félix Lefebvre)は、リヴァー・フェニックスを彷彿とさせる陰気でありながら躍動感があり、尖った鋭さの中にある瞳の力が印象的な役柄を上手に演じていました。今後の活躍目が離せないです。

そうそう、フランソワ・オゾンといえば「ぼくを葬る」もめっちゃ良かった。まだ観てない方におすすめ。


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