読書『ライフシフト LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略』感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

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読書『ライフシフト LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略』感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

ライフシフト LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略とは?

リンダ・グラットン氏、アンドリュー・スコット氏、翻訳池村千秋氏著書、『ライフシフト LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略』。2016年に東洋経済新報社から出版されたベストセラーです。

どんな内容?あらすじとは?

序章を100年ライフとして、「長い生涯」「過去の資金計画」「雇用の未来」「見えない「資産」」「新しいシナリオ」「新しいステージ」「新しいお金の考え方」「新しい時間の使い方」「未来の人間関係」そして「変革への課題」として、9章と序章、終章で構成された399ページにもなる一冊です。

リング・グラットンとは?アンドリュー・スコットとは?

リング・グラットン氏は、ロンドン・ビジネススクールの教授で経営思想家ランキングで毎回ランキング入りを果たす世界的権威。アンドリュー・スコットも同様にロンドン・ビジネススクールの経済学教授で、モーリシャス大統領の経済アドバイザーとしても活躍しています。

本書は、経済学や人生学に知見がある二人による共著となっており、序章の段階から読み出すのに敷居を感じる始まりとなっています。しかし、読み始めるとぐっと引き込まれる論理的な説明と仮設、そして各章単体で読んでも面白いですが、繋げて段階的に読むことで深く没入できる読了感があります。

ネタバレ

あなたは人生をやり直したいと思ったことはありませんでしたか?やり直すまでいかなくても、いくつかの選択肢の中で、人生では一つしか選べず、もし違う選択をしていたのならどういった人生を選んでいたのか夢想することは誰にもであるはずです。

大学に2つ合格し、もう一つを選んでいたら違う人生になっていた。違う人達と出会っていた。別の職種に就職していたら、どんなキャリアを描いていたのか、会社を辞めずに続けていたら?結婚していたら?していなかったら?子供を作らなければ?作っていたら?

そんな風にして人生とは選択だらけです。

『ライフシフト LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略』では、仮定の人物として、3人のキャラクターを用意しています。1945年生まれのジャックと、1971年生まれのジミー、そして1998年生まれのジェーンです。

生まれた年代は違っても、時代が異なっていたとしても、人生というのは大なり小なりでほとんど同じと思っていませんか?

違います。今の時代は、長寿、つまり長生きの人生となっているのです。医療や食品、健康、生活習慣などが昔より改善され、平均寿命が延びているのです。(日本でも少子高齢化社会が問題となていますね)

ジャックは、いわゆるひとつ上の親世代でしょう。結婚しを子供が生まれ、自分が一家の大黒柱となって、妻が家庭を守る。大学卒業までの自身の教育期間と卒業後働く期間、そして引退までの3タームで成り立つのです。

また日本で最近問題となっている、年金が足りない問題。老後2000万円足りない、自身で用意しないと行けないといった、話題も出ていますが、ジャック世代は、満額年金がもらえるという、世代なのです。

次に、ジミーです。我々と同年代と言われる世代です。彼の場合は、DINKSなどもあるように、夫婦揃って働くということや、老後も働かなければならない懸念を抱えています。その場合、ジャックと同様の生き方をしていると、年金が足りず、困った世界が予想されるのです。

最後に、ジェーンです。本書では2年足りませんが、いわゆるミレニアム世代です。ジャックはもちろん、ジミーとも違う生き方をしないと、今後の100年時代は生きていきないという難しい世代でもあります。

人生3.0から5.0までを考える

お金3.0などという個別名称が流行ったように、〜〜2.0や3.0といった進化した名称に数字をつけるのが一般的な作り方になっています。

『ライフシフト LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略』でも、同様に、ジャックの生き方を例えば3.0とした場合、ジミーが同じように3.0の生き方をすると老後に家庭財政が不足に陥り辛い老後を過ごさねばならぬと仮定を立てています。

では、ジミーはどうすれば良いのか?という一つの案として、3.5の生き方があります。老後は老後で働くが、これまでの仕事の経験やスキル、知見を活かして、友達の紹介で学校の非常勤講師として活躍するという展開です。これであれば少しの努力とこれまでの生き方を少しだけスライドさせることで、満足度の高い生き方できるというものです。

他にも4.0として、積極的に生きる生き方、ポートフォリオ型の新ステージを歩む方法もあります。向こう1年間、週2日の夜と隔週の土曜日を費やし、自費でプログラムを受講。さらに、オンライン上で学習したり、受講生同士がコーチし合ったりして、隔週の土曜日にスクリーニングに参加。

余暇の時間をレクリエーション(娯楽)ではなく、リ・クリエーション(再創造)に使うというのです。結果スキルは向上し、モチベーションの高い人達と知り合い、さらに業界ではよく知られた証明書を受け取れるのです。

無形資産と有形資産とは?

『ライフシフト LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略』で重要なのは、有形資産と無形資産を意識的に考えて人生を計画することを等々と伝えています。

有形資産とは、文字通り形として残るもの。お金、貯金、資産、住宅、車…。ジャック世代では比較的容易に手に入るものたちです。

無形資産とは、友情や愛情、人間関係、縁故といった目には見えないけれど、あなたの人生の柱にしてくれるものです。お金がなくても親友がいたり、以前勤めていた同僚のつてで雇用ができたりなども同様ですね。加えて本書では、活力資産として、健康や体力、集中力などもここに加えてあります。

仕事に邁進する日々となると、給料が入り、昇給、昇格し、有形資産は潤いますが、友達と遊ぶ機会が減り、また家庭サービスが疎かになり、妻や子供との関係も落ち込みます。またストレスで体力も落ち込み、活力資産が減っていきます。

逆に、仕事は派遣やパートタイムジョブだとすると、家に入ってくるお金は減りますが、夫婦で働くことで、子育てを一緒に過ごし、余暇を友達と遊び、人生に潤いが出てきます。そこで繋がった無形資産を、老後やターニングポイントで活用することもできるようになります。(ココらへんはジェーンの下りで詳しく紹介されています)。

資産の形とは?教育のあり方や活用方法は?

『ライフシフト LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略』の特記すべきポイントして財産のあり方についても言及しています。ジャック世代では家を買い老後そこで過ごすことが一つの形となっていましたが、現代では、シェアリングが台頭してきており、そのおかげで例えば車を買わずとも、いつでも利用できる、家を貸したり、民泊させることで、財産の活用ができるなど、手段が増えていった功績があると記させています。

さらに、勉強の仕方も、昔は、日中に学校へ行くか、夜間に仕事終わりに行くのが通例でしたが、通信はもとより、MOOCsといったオンライン上で勉強することが可能になっています。PCからスマホへ移行し、通勤や移動時の勉学はもとより、仕事もリモートワークとして家にいながら作業ができる、また副業も可能になり、週末にUber eatsのデリバリースタッフとして稼ぐなど、多様な生き方働き方が主流となっています。

これを『ライフシフト LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略』では、マルチステージと名付けています。

まとめ

アイドルグループ嵐の『僕が僕のすべて』という音楽の歌詞に「もし僕があの日少し違う未来を選んだとしたら」という冒頭があります。

不思議なことに、人生というのは戻せないし、時間も有限なのに、生き方を後悔したり巻き戻したいと思うことは誰にでもあるはずなのに、同じ過ちを繰り返すものです。

では一体どうしたらより素敵な人生を過ごせるのか?そんなヒントや説明を数字や論拠を含めてがっつりと書いてあるのが『ライフシフト LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略』でした。

生き方に悩んでいる方や上手くいかないな、どうしたらいいのかな?と悩んでいる方にはぜひ読んでほしい一冊です。自分も今から自分の人生の3.0から5.0までを考えてみたいと思います。

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