『酔わせる映画 ヴァカンスの朝はシードルで始まる』とは?
『酔わせる映画 ヴァカンスの朝はシードルで始まる』とは、映画ライター・編集者である月永理絵氏が執筆し、2024年6月24日に株式会社春陽堂書店から出版された本です。
どんな内容?あらすじは?
『酔わせる映画 ヴァカンスの朝はシードルで始まる』は、お酒や食事のシーンにフォーカスを充てた映画作品をまとめています。
第一章が、お酒で酔わせる映画
第二章が、りんごと映画の酔わせる関係
第三書が、酔わずに食べたい映画
の3部構成となっており、紹介されている作品数は50以上!
お酒や食事が、その映画にどんな意味や理由が込められているのかを、深く分析しています。
『ミニシアター再訪(リヴィジテッド)』や『反=恋愛映画論』のような内容です。
ネタバレ
本書は、ワンシーンでも登場するお酒や食事をポイントにして、どんなキャラクター背景を持つのかなどが書かれています。
例えば、フランス映画『オルエットの方へ』では、ヴァカンスを舞台にした映画にも関わらず、殺伐としたイメージへとさせてくれる。
朝食で出された「シードル(りんご酒)」をもとに、登場人物たちの皮肉なやりとりが会話される。
そもそも、シードル自体、甘いお酒ではなく、苦さが強烈なアルコールであり、
本書では、その点を踏まえて、甘いバカンスではなく、苦みのあるヴァカンスであることを示唆している。
日本映画『東京公園』
紹介されている映画は、外国映画だけでなく、日本映画や韓国映画もある。
青山真治監督による『東京公園』は、三浦春馬と榮倉奈々が主演で作られており、若い二人が公園で「りんごを囓る(かじる)」シーンをピックアップ。
アダムとイヴを彷彿させるシーンでもあり、男女のふたりの今後の行く末を考えさせられる考察となっている。
「ひとりの青年が、知らぬ間に向けられていた視線に初めて気づき、その視線と対峙するまで。彼らが行きつく先には、光射す場所が待っている。」
と締めくくられいる。
まとめ
ここで紹介している映画や作品は一部ですし、ディテールまで敢えて記載していません。
とにかく膨大な数の作品を、一つひとつ丁寧に取り上げて紹介しているので、映画好きの方には大変おすすめの一冊となっています。