『夢中さ、きみに。』ドラマ・漫画の比較と感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『夢中さ、きみに。』ドラマ・漫画の比較と感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ 映画

『夢中さ、きみに。』とは?

『夢中さ、きみに。』は、もともと和山やまによる漫画『夢中さ、きみに。』がKADOKAWA出版から発行されました。第24回手塚治虫文化賞短編賞や第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を軒並み受賞すると一気に話題に。

2021年1月8日から連続ドラマとしてテレビでも、ジャニーズ事務所のなにわ男子のメンバーである大西流星と高橋文哉のダブル主演で実写化もされました。

夢中さ、きみに。 | ドラマ特区 | MBS 毎日放送
累計20万部突破の大人気コミック「夢中さ、きみに。」ユニークすぎる男子高生の淡々とした日常を描いた異色の青春群像劇を、なにわ男子・大西流星 初の単独主演で実写ドラマ化!

どんな内容?あらすじは?

『夢中さ、きみに。』は、2人の人物にフォーカスを当てた内容。一人目は、不思議なキャラクターを持つ、林美良。もう一人は顔面偏差値が90点でありながら逆デビューで非モテになろうとする二階堂明。

接点も共通点もない二人が紡ぐ高校生の青春物語が、『夢中さ、きみに。』となっています。

『来世ではちゃんとします』や『隠れビッチやってました』のような作品です。

ネタバレ

筆者はまず、大西流星が主役を演じたドラマ版から本作を知りました。

淡々としたストーリー展開とシュールな雰囲気が独特で、一気にハマりました。

林美良編

まず林編から紹介すると、4つの物語で綴られています。

1つ目が、「かわいい人」編。

同級生の江間譲二が体育祭の借り物競走で「かわいい人」のお題を引いてしまい、障害物競走で網に絡まった林を連れていったことがキッカケで、林は江間に「僕ってかわいい?」と絡んでくる話。

江間は、同性である林を可愛いとは認識していなかったのですが、ある日、実家の中華料理屋の割引クーポンをパンダのキグルミを着てやってきた林を見て「可愛い」と思ってしまうのでした。

2つ目が、「友達になってくれませんか?」編。

ドラマ版だとこちらが1話になってますが、原作だとこちらが2話でした。

お嬢様高校に通う女子高生の松屋めぐみは読書好き。読み終わった山本等著書『鉄と鉄』の感想をSNSへ投稿したところ、林のアカウントからリプが来て、交流が始まる。

現実でも近い場所にいて、二人は出逢う、という物語。

『ジェイン・オースティンの読書会』のように本の内容を通じてお互いの関係値が深くなっていくような展開です。

ちなみに、『鉄と鉄』は実在しない架空の本でした。図書館まで行って調べたのになかった(笑)。

3つ目は、描く派編です。

美術部に所属する小松豊が、干芋を干している林を見かけ、絵のモデルになってもらうことを交渉。

その後、共作として林にも絵の続きを描いてもらう、という話です。

最後の4つ目が、走れ、山田!編です。

先輩からお昼の買い出し(いわゆるパシリ)を頼まれている山田。それを横目で見ている林。

ふとしたキッカケで小さな二人の交流があり、山田はそれをバネにして先輩に反抗するという物語です。

4話、それぞれ林を中心としていますが、けして林が能動的に動くわけではなく、小さなきっかけで影響を与え、周りが林に「夢中になっていく」という内容です。

二階堂編

一方、二階堂編はわかりやすい内容。

中学時代にイケメン(というか美少年)で、学校中の女子からの憧れ、ファンの的となっていた二階堂は、ある日クラス箱に入れられていた衝撃的なプレゼントからトラウマになり、高校入学時には、頭を丸めて、メガネをかけて、怪しい雰囲気を出すことで、イケメンであることをバレないように逆デビューするという話です。

二階堂編は、多数の人物が二階堂に夢中になるのではなくて、二階堂の目の前の席に座っている目高が、本当の二階堂を知り、夢中になっていくストーリー展開となっています。

漫画とドラマの比較

ドラマは原作を忠実に再現することを目指していたため、一つひとつの描写や見せ方、表現がそっくりです。内容も大きな過変がないため原作ファンからも概ね好評。

むしろ、ドラマでは原作では語りきれない部分や、二階堂編と林編を微かにリンクさせているので、別個の次元が繋がって面白くなっていました。

例えば、林編では山田に直接『鉄と鉄』を貸してあげることで、本の、文章に影響を受けて、山田が先輩に立ち向かうシーンは、原作ではありませんでした。事後に挨拶に向かった山田が林から本を借りる(鉄と鉄じゃない)というもの。

また、二階堂編では二階堂たちが修学旅行で向かったのは原作では沖縄でしたが、ドラマでは東京。

そして、落としたプリクラを林が拾い、二階堂に手渡すなど、偶然と交差する世界になっていました。

さらに、二階堂が実はイケメンじゃないのかと、疑問を持つ、同級生の荒川は、実は文学も好きで、修学旅行で訪れた東京でホテルを抜け出して、SNSで交流のあった松屋とリアル。そこへ林と遭遇する3者の繋がりもありました。

原作ファンからすると、もしかすると不要と思うかもしれませんが、ドラマはそういった肉付けがされていて、人生や人と人との出会い、運命の面白さを、言葉や歌詞に載せて届けてくれているのです。

まとめ

エンディングテーマは、主演の大西流星が所属するアイドルグループ、なにわ男子が歌っている『夜這星』ですが、この歌詞も「交差する運命も すれ違う偶然も 吹き抜けてく風は 少し魔法みたいで なぜかどこか不思議な気分さ There is noother,so maybe… 特別なわけじゃない 静かに淡くときめく刹那に 僕は夢中さ 夢中さ、きみに。」と、締めくくられています。

昔の学園ドラマみたいに衝撃的な事件や大きな問題はなく、パシリはあっても暴行事件や残虐なイジメはない、そんな低体温のような青春だからこそ、何気ない繋がりやキッカケが夢中になる、そんな作品でした。

原作は1巻で完結。Amazonならキンドルで電子書籍で読めます。

ドラマも全5話と気軽に見られるので、あの頃の青春を思い出すように観るのをおすすめです。

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