『ジョーカー(Joker)』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ【パラサイト・万引き家族の比較】

『ジョーカー(Joker)』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ【パラサイト・万引き家族の比較】 映画

『ジョーカー(Joker)』とは?

『ジョーカー(Joker)』は、「バットマン」シリーズの有名な悪役人気キャラクター「ジョーカー」に焦点を当てた作品かつ2019年にホアキン・フェニックス主演で映画化されました。アカデミー賞では主演男優賞を受賞しました。

パラサイトと万引き家族の記事が沢山の方に観られているので、今回はジョーカーについて紹介したいと思います!

どんな内容?あらすじは?

バットマンやDCコミックの世界でもあるゴッサムシティでは、富裕層と貧困層の格差が広がる世界。

そんな混沌とした世界で認知症の母親と住んでいる「ジョーカー」であるアーサー・フレックスはコメディアンになることを夢見る中年のおじさん。

しかし、混沌と渦巻く社会の中で、同僚や憧れの司会者スター、取り巻く不幸、生い立ちなどが絡み合い、徐々に精神をおかしくしていき、ある時をキッカケに「ジョーカー」として殺戮を繰り返す存在へと変貌していくのです。

『ココ・アヴァン・シャネル(Coco avant Chanel)』や『太陽がいっぱい(Plein Soleil)』のような作品となっています。

ネタバレ

『ジョーカー(Joker)』は同じバットマンシリーズの悪役「ダークナイト」や「ペンギン」と異なり、本質的な悪の素養があったわけではなく、取り巻く社会情勢の影響で、一般人が堕落し悪役になった存在です。

そのため、超越したスーパーヒーローというよりも、より観衆の共感が覚えやすいキャラクターになっているのも特徴となっていますね。

なぜ悪役になったのか?

ジョーカーは元々、人当たりの優しい一般人でした。貧困でありながら、母親が認知症でありながらも、慎ましく、幸せに過ごしていました。

しかし、要領の悪さや空気の読めなさ、またコメディアンになって有名になりたい(沢山の人を笑わしたい)という、分不相応の夢を持ったために、不幸のどん底へ落ちていくという可哀想な人間でした。

例えば、要領がよかったら職場や、テレビ出演をきっかけに知名度を上げ、お金を稼いだり、空気を読んで周りと合わせることで、被らなくてよい不幸を味わなくて良かったり、もしくは、貧困でありながらも、夢など持たず、日々を過ごすことができれば、ここまで肥大化した悪にならずに済んだのかもしれません。

社会は下層の人間ほど切り離していく

そうなんです。本来、夢や希望があるから人間は生きていけるし、欠点や不運なことは誰しも起こりえます。

それなのに、そんな些細な出来事すら、許されない混沌した世界と街を作ったのが、ゴッサムシティであり、現在の日本や世界各国に照らし合わせているため、観るものに共感を与えているのです。

一つの失敗が、転落を及ぼす救いのない世界。

トランプでいうカードをひっくり返すのが「ジョーカー」である、と。

パラサイトと万引き家族とジョーカーの比較

では、同じように貧困層を描いたパライサイトや万引き家族と、比較して見ていきましょう。

まず、パラサイトも同様に富裕層と生活を過ごすことで格差と差別を感じ、それが憤りへ変わる作品です。

そして、パラサイトの人たちも、収入の良い仕事に就けたのだから、甘んじて働き続ければ良いものを、贅沢に興じてしまい、分不相応の欲望に負けてしまい、結果破滅へと繋がる映画でした。

万引き家族とジョーカーの比較

次に、万引き家族との比較です。

万引き家族の人たちは、対となる富裕層はいません。

あくまでも自分たちの生活や生き方、やり方を理解していて、だからこそ慎ましく家族で過ごす時間が愛おしく大切でもあったのです。

しかし、取り巻く社会がそんな小さな下層の家族たちを切り離す出来事が追いかけてきます。

自分たちは小さな犯罪を犯すだけでよかったのが、積もり積もって、戻れない道へと進んでいく。

展開はジョーカーの軌跡と似ていますね。

パラサイトと万引き家族を濃縮したのが、ジョーカー?

じゃあ、パラサイトと万引き家族が合わさったがのがジョーカーなのか?と問われれば、「No」と答えるでしょう。

パラサイトと万引き家族は、結末がハッピーでなくても、そこには家族としての絆がありました。

消えた父親を待ちわびる息子のパラサイト。

離れ離れになっても、心と思い出は繋がっている、万引き家族。

しかし、ジョーカーではそんな家族(この場合は母親)との絆も無惨にも切られてしまうのです。

母親の過去。

自分の幼少期。

なぜこうなってしまったのか。

母親がなぜそうなったのか、そうさせた社会への敵意。

孤独になり、もう救いのない作品、それが『ジョーカー(Joker)』でした。

まとめ

おすすめする映画か、と言われれば『ジョーカー(Joker)』はけして「YES」とは言いづらい作品です。

もし観るのであれば、『パラサイト』→『万引き家族』→『ジョーカー(Joker)』の順で観るのをおすすめします。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』並の観てて辛くなる作品かもしれません。

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