『フレンチドレッシング』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『フレンチドレッシング』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ 映画

映画『フレンチドレッシング』とは?

『フレンチドレッシング』は、1998年に大映より斎藤久志監督、櫻田宗久、唯野未歩子、阿部寛によって公開されました。原作はやまだないとの同名漫画が原作です。

どんな内容?あらすじは?

高校生の岸田は、学校でいじめっ子の花園たちにイジメられているが、どこかそれ自体を楽しんでいる様子。また、ナルコレプシーという突然眠ってしまう病気も持っており、未来に対して希望を持てないでいる。

ある日、学校の屋上から飛び降りようとしたところ、数学の村井によって止められ、そのまま襲われてしまった。

復讐を考える岸田と、ひょんなことから二人のやりとりを知った、同じ高校の女子高生である露村マリィは、二人の関係に参加したく、自ら仲間になりたいと申し出て、いつしか3人の奇妙な関係が出来上がった。

本作は、2024年7月13日から19日まで、神保町シアターで「一度はスクリーンで観ておきたいーー忘れられない90年代映画たち」としてリバイバル上映されました。

『怪物』や『秘密のキス(Baisers cachés)』のような映画です。

ネタバレ

『フレンチドレッシング』は、やまだナイトの同名マンガで、原作も読みました。

原作では、女性の露村マリィが主演で、本作以外でもいくつかのオムニバスに登場。男性を狂わす、魔性の女子高生でした。

一方で、映画は、マリィではなく、いじめっ子の岸田が主演。さらにナルコレプシーという奇病を加えたことでキャラクター性が高まり、主演としても威厳を持ちます。

演じられた櫻田宗久の、クレイジーな表現も、キャラクターと合っていてちょうどよかったです。

そんな岸田を軸に、彼を犯すことで、自分に恨むを持たせて、長生きさせようとする、村井を阿部寛が巧みに演じています。

村井は、愛する妻と愛犬を亡くしたことで自暴自棄になり、自分や人生に未来を持てずにいました。原作でも同様ですね。

そんな悲観した大人に、岸田と露村マリィが現れたことで、ひと夏の楽しい時間と、疑似家族ごっこ。

それが、本作のテーマでもあるのでしょう。

真意が読めない露村マリィとは?

そんな情けない動機がある二人に対して、露村マリィは、漫画でも映画でも飄々としており、腹の底が読めません。

原作では、そんなファンタジーな女性像である一方で、映画版では、実はちゃんとした動機が垣間見えるのでした。

露村マリィは、映画版ではショートカットの唯野未歩子が演じており、唯野といえば、『きのう何食べた?』では、寡黙なスーパーの店員を演じるなど、同作のような飄々としたキャラクターは得意。

露村マリィは、勉強もできるし、ヒエラルキーの高い陽キャの彼氏を持ち、面倒見がよい友達の京子がいて、何不自由ない学生生活を過ごしているように見受けられます。

3人の共同生活

岸田が、スーパーへ買い物へ行くと、そんな京子と、その彼氏である遠藤に遭遇。

露村マリィが、友達に事情を説明せずに居なくなったことが浮かび上がります。

家に帰宅した、岸田は、露村マリィにそのことを話すと、

「女の子って怖いからね」と、はぐらかそうとしているが、

岸田は「北園と寝たんでしょ?よくあんなやつと寝られるね」と嫌味で返します。

岸田は、露村マリィがその二人のことを快く思っておらず、現状に不満を抱えていることを、

そして3人で暮らす生活が、刺激的に居心地の良いのを知り、彼女の本質を見抜いていたのです。

まとめ

ラストは、露村マリィを置いて、二人で海へ行く、岸田と村井。

岸田は海へ飛び込み、ナルコレプシーを発症してしまい、そのまま眠ったまま海へ落ちていくのでした。

露村マリィは、学校戻り、村井が作った拳銃を京子へ向けて、打ちます。

弾は出なかったものの、彼女の中の鬱積した想いが世界へ解き放たれたのでした。

そして、エンドロール後、

海から飛び出した、岸田のシーンで終演です。

そう、3人にとっての再生の物語でした。

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