『聖の青春』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『聖の青春』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ 映画

『聖の青春』とは?

『聖の青春』とは将棋棋士の村山聖(むらやまさとし)の生涯を題材にした映画です。作家である大崎善生の著書を題材にし、松山ケンイチが主演しました。

どんな内容?あらすじは?

5歳の時にネフローゼ症候群を発症し、その後病にさいなまれながらも村山聖は29歳でガンで亡くなるまでプロの将棋棋士として活躍。特に、羽生善治との対局はファンならずとも知る名勝負。

そんな短命の村山聖の生き様や、プロ将棋棋士としての破天荒な生き方を、詳細に記したのが本作です。

『月はどっちに出ている』や『隠れビッチやってました』、『マネー・ボール(Moneyball: The Art of Winning An Unfair Game)』に似た作品となっています。

ネタバレ

『聖の青春』は文字通り、村山聖が将棋棋士としてプロデビューをし、関西から東京へ移籍、その後亡くなるまでの期間をメインにまとめています。

村山聖の部屋が散らかっている状態や病院からの呼び出しにも応答せず、また食べ物に対する偏食さも含めて、異質な存在であることが伺わせる一方、師匠で森信雄やライバルである羽生善治との関係も含めて、愛されるキャラクターも魅力です。

松山ケンイチが体重を20キロ増加

見どころのひとつとして、主演の松山ケンイチが役作りのため20kg増やしている点です。冒頭から丸々太った松山ケンイチの顔や体格を観ると、その威圧感と大柄に合わせた愛嬌の良さが滲みでて、村山聖を知らない方も雰囲気が伝わる姿でした。

東出昌大演じる羽生善治との対局

注目は、東出昌大が演じる羽生善治との対局です。通算で13戦6勝7敗という結果。ほぼ引き分けの状態でしたが勝ち負けでは引けを取らない棋士力があったのです。

映画では、そんな対局後、二人で食事に行くシーンがあり、エリートの羽生、異端児の村山、そんな二人が淡々と会話をするのが奇妙でありおかしさもあります。

まとめ

村山聖の生涯を映画にした本映画『聖の青春』。残念なのは勝負シーンに迫力や時間をもう少し割いても良かったのが、人間ドラマや彼の過程にクローズアップされ、棋士としての力量や白熱さが欠ける点でした。

また、もともとそうなのか、敢えて出さなかったのかわかりませんが、飄々とした村山聖とのキャラクターばかりで、内面や心情が映し切れなかったのも残念です。

唯一、ガン発覚後、羽生善治にポツリと言った「できることなら女性を抱いてみたかった」という未経験である心情の吐露に、彼の悲願を垣間見えた気がしました。

上質な将棋映画。友達や一人で観るのにおすすめです。特に将棋経験者ならより楽しめるでしょう。

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