『お金持ちの行動学』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『お金持ちの行動学』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ お金

『お金持ちの行動学』とは?

『お金持ちの行動学』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『お金持ちの行動学』とは、京都大学経済学博士であり、労働経済学や公共経済学を専門に、京都大学名誉教授である、橘木俊詔(たちばなき としあき)氏の執筆で、2017年より株式会社宝島社より出版されました。

「お金持ち」になるための8つの指針として、能力と野心のある起業を目指せ!、勉強していて損はない!、医者になりたかったら、ひたすら勉強!、大企業に入社するにも、勉強することが有利!、夫婦円満!できれば共働きをしよう!、資産運用管理術と税制については理解していおこう!、何か打ち込める趣味なり好きなことを持つ!、「お金持ち」だからこその「節約の美徳」を忘れるな!をテーマに、それぞれの富裕層の行動や考えを分析した内容となっています。

どんな内容?あらすじは?

『お金持ちの行動学』は、お金持ちと呼ばれる富裕層に焦点を当てて紹介、彼らの行動を紹介しています。

第一章は、お金持ちという生き物、第二章がお金持ちになれる資格、第三章がお金持ちの虚像と実像、第四章がお金持ちの気苦労と悩み、そして第五章がこれからのお金持ち。という全5章から成り立つ構成です。

ネタバレ

『お金持ちの行動学』の特徴としては、お金持ちとざっくり言っても色々な種類やジャンルに分かれます。例えば、大企業の社長から、医者、プロ野球選手、芸能人など幅広く存在し、これを一括りにすると、話の展開が読めないため、各章で細かく分類分けして説明しているのです。

例えば、自営業のお金持ちの実態として、高所得者とお金持ちは、異なる人物であることが挙げられています。お金をいっぱい稼いでも出ていくお金が多ければ、お金持ちとは言えませんし、逆に、利子や配当、地代で生活できている人は、働かなくても生きていけるとして、お金持ちと定義もできます。

ストック、つまり資産を用意手、別の箇所でフロー、収入を得ているのであれば、多額でなくても優位性が高いと言えるのでしょう。

この辺は、トマス・J・スタンリー、ウィリアム・D・ダンコによる「隣の億万長者」と同じ考え方となりますね。

納税と節税、タックスヘブン、幸福度

本書『お金持ちの行動学』では、さらに一歩踏み込んで、お金持ち、資産が増えると付き纏う問題として、税金、納税問題に着目しています。収入やインカムが多くなると、収めなければならない税金額も増えていきます。そこでパナマ文書で話題となったペーパーカンパニーを税金を収めなくても良い、もしくは上限が決まっている国で作り、税金を逃れる、節税するタックスヘブンを行うお金持ちも多いようです。

さらに、1代で築いた資産家の場合、子供へ資産を残すために四苦八苦する反面、残された家族がお金の問題で争うことも頻繁に行われ、お金持ちの頭を悩ます悩みとなっているのです。

しかも、遺産相続税も発生し、さらに税金がかかってしまいます。

そして、昭和の時代では意識されていなかった、幸福度についても注目されています。幸福の国として話題となったブータンを例にし、お金を稼ぐことや働きすぎになるのが幸福ではなく、心と体の健康を大切にすることが重要であることが意識され始めました。一般サラリーマンも、意識改革やワーク・ライフ・バランスという言葉が徐々に浸透してきていますよね。

また、本書『お金持ちの行動学』では、学歴についても注目しています。

特に子供には良い学校に出てもらいたいとして、慶應義塾大学がビジネスを学ぶ場として人気で、早稲田大学と並んで、できるだけ子供に入学してもらいたいと考えている親が多いようです。

逆を言うと、官僚になるわけではないため、東大に行かせようと思う親は少ないのです。

資産管理、資産運用

特に、一般人である我々が知りたいのが、この資産管理や資産運用となります。

まず、前提として必要なのがお金をただプロフェッショナルに預ける、任せるだけでなく、相手の言っている内容を理解する、質問できる知識が必要であることが述べられています。

土地や家屋、実物資産投資と金融資産投資の区分。さらに、金融資産では、株式、債券、社債、国債、預金、信託、年金、保険といった幅広い金融商品があり、自分でも経済学や、金融商品の知識を高めておくことが重要です。

お金の知識やマネーリテラシーを育むことは、とても大切なことで、資産家の子供には積極的に教育しているのです。『お金に支配されない生き方』や『年収は「住むところ」で決まる 来ようとイノベーションの都市経済学(THE NEW GEOGRAPHY OF JOBS)』などでも書かれている通り、無目的や無計画で物事を進めると、痛い思いをするので注意しましょう。

まとめ

なぜあの人はお金持ちなんだろう?誰もが疑問に思ったことがあることでしょう。親がお金持ちであったり、プロ野球選手として1流で活躍していたり、人気の芸能人やタレントだったりは理解しやすいのですが、そうでないケースも多々見受けられます。

そんな疑問をわかりやすく文献と合わせて解説してくれているのが、『お金持ちの行動学』です。

とはいえ、全体的により深く説明できていないのが、少し残念です。比較的読みやすいので、リゾート地などでプールの横で読んでみるのをおすすめします。

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