「ホテルルワンダ」あらすじ、映画の感想、レビュー、ネタバレ

映画「ホテル・ルワンダ」とは?鑑賞しました。その感想、レビュー 旅行

映画「ホテル・ルワンダ」とは?

映画「ホテル・ルワンダ」とは?鑑賞しました。その感想、レビュー

遅ればせながら、テリー・ジョージ監督のイギリス・イタリア・南アフリカ共和国合作「ホテル・ルワンダ」を見ました。 2004年の映画、フィルムなんですね。

物語は、1994年に実際にアフリカ大陸のルワンダ(首都キガリ中心)で起こったルワンダ虐殺の歴史の話を元にしています。同国内でもフツ族という人種とツチ族というの人種があり、フツ族がツチ族をあることをきっかけに大量虐殺していく凄まじい史実を元にしています。

大量虐殺をジェノサイドというのですが、興奮がピークを迎え、見境なく殺害していくのです。

ポール・ルセサバギナとは?

本作「ホテル・ルワンダ」は、そんな大混乱の中で、1200名以上の難民を助けたホテルマン(支配人)のポール・ルセサバギナ氏を主役にしたノンフィクションです(ドキュメンタリーではなく映画として作られています)

どんな映画・物語?

1994年4月6日にルワンダの大統領ジュベナール・ハビャリマナ大統領と隣国ブルンジの大統領であるシプリアン・ンタリャミラ大統領が暗殺されたことをきっかけに物語は大きく進んでいきます。

冒頭および最初は、舞台となるホテル「オテル・デ・ミル・コリン」や街並みなど、アフリカの貧困のイメージとは違う豊かなシーンが映っています。ホテル内では、旅行者の白人や軍服を着ている将軍(後半にかけてキーになる人物)など、外国へ旅行が行ったことがある方ならご存知の風景が広がっています。

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「オテル・デ・ミル・コリン」は、4つ星ホテルで、広々とした敷地内には綺麗な彫像品や大きなプールがあり、プールサイドのバーではお酒を飲むなど、とにかくバカンスな雰囲気が出ています。ちなみに 「オテル・デ・ミル・コリン」 はベルギーの航空会社が本社となるのですが、映画ではフランスに本社があり、主人公の上司である、本社フランス人をジャン・レノが演じています。

さて、物語は、ツチ族とフツ族との不穏な空気がはびこるなか、ついに大統領の暗殺をきっかけに、フツ族がツチ族を殺害していきます。

最初は、フツ族の兵隊が犯人捜しを理由に殺害や拉致を行っていたのですが、徐々に加熱していき、民兵といわれる民間人もナタを持ち略奪やレイプ、レイプを行っていくのです。ここら辺は情景として映し出されるものの、かなり直接的な表現はないので、過激な内容が厳しい方も、少し安心してください。

主人公のポール・ルセサバギナ氏は、フツ族(父親がフツ族、母親がツチ族)であるため、同族のため殺されることはない立場です。しかし、奥さんがツチ族であり、親せきや近隣住民もツチ族のため、彼ら、彼女らを守る中で、徐々にツチ族の人たちを守る立場へと変わっていくのです。

見どころは?

本作 「ホテル・ルワンダ」の見所の一つが、英雄でも軍隊でもなく、一般人のホテルマンである主人公がいかにして危機を一つひとつ解決していくかが注目です。

例えば、最初に家族や隣人をホテルへ匿う際も、フツ族の隊長に家族を殺さそうになります。まずは切り札として「賄賂」を渡します。

軍隊というのは政府の命令に従うため、基本的に理由なく殺害はできません。混乱や暴動を起こす民兵よりもよっぽど交渉の余地があるのです。多額の賄賂を渡すことで最初の危機を乗り越えたのです。

同じように、中盤ホテルにツチ族の軍隊が乗り込んできた際も、10分だけ時間をもらい(それもタダではなくビールでも飲んでいてくださいとし)、本社のフランスへ電話をかけて頼み込みました。

フランスの本社では危機的状況を感じ、フランス大統領へ連絡→最後の最後というところで、連絡が軍隊へ入り、ここでも命拾いするのです。これは民兵であれば命令や国と国のパワーバランスは関係ありませんから……。

そして、頼るものがなくなった時に、スタッフやかくまっているゲストにこう言うのです。「知っている有力者へとにかく電話をかけるのです。そして電話の中で握手をするのです。その手を離したら死ぬことになることを。助けられないという恥を植え付けるのです。その恥が、世界から我々を助けるのです」と。

もうこのシーンは鳥肌が立ちました!自分たちの命を使って、相手に同情や罪の意識の植え付け、救援に向かわせる。それも直接的な言葉でスタッフらに説得するわけではなく「電話の中で握手する」という比喩でありながら、伝わる言葉に、刺さりました。

電話を切ったら、切った相手は死ぬのです。そんなことをして見殺しにできますか?

赤十字、国連、報道ジャーナリスト、国と国のパワーバランスとは?

本作「ホテル・ルワンダ」 のもう一つの見所が、国際的状況を見せている点になります。例えば歴史物やその国だけの戦争ものだと、いわゆるピラミッド式の縦社会と戦争の無惨さがメインとなります(硫黄島からの手紙とか)。

しかし、本作はタイトルの通り、ホテルの話であり、冒頭で紹介した通り、事件が起こるまでにはリゾートホテルだったのです。

まず、ホテルに宿泊していた、白人の宿泊客。彼らはただバカンスに来ているだけなのに、急に情勢が悪化して暴動に巻き込まれるのです。(とはいえ一応ホテル内は後述の通り安全ですが)。

すぐにパスポートを返してもらい各大使館へ連絡、アメリカやフランスなど自国へと帰っていくのです。その姿を主人公はホテルマンとして見守ります。

次に、ホテルを少数ながら守ってくれる人たちがいます。それが国連です。現在2019年でもバングラデシュとミャンマーのロヒンギャ問題などを国連をはじめとした国際機関がヘルプしています。これは国としてではなく国際機関として役目を果たす立場にあります(いわゆる中立)ですね。

本作でも国連平和維持部隊(国際連合ルワンダ支援団)が様々な場面で助けに入ってくれます。

そして、国際機関として有名なのが赤十字です。こちらは主に医療を中心として国際的に活動しています。本作でも登場人物の赤十字の女性が虎児を助けて、ホテル・ルワンダへ匿うよう頼むシーンがあります(そしてこの女性は後半のあるシーンでとても重要な役割を担うのです)

そして、報道ジャーナリスト。筆者も某国の報道機関にいたことがありますが、BBCといった欧州の報道機関は常に、アフリカの情勢を気にしています。余談ですが、欧州では、欧州>アメリカ>アフリカ>アジアというニュース価値だそうです。日本はあまり相手にされていなくてトホホですね。。。

話を戻して、このジャーナリストもホテル・ルワンダにいます。彼らは安全面のあるホテル内のみを撮影しており、上司からも「避難してきた人を撮るのだ」と言われていました。しかし「それではここの来た意味がないじゃないか」とホテルを抜け出して撮影をするのです。そしてそれを世界へ流すのです。

主人公は言います。「この映像をみて助けてくれるはずだ」と。

しかし、撮影したジャーナリストはこう返すのです。「夕飯を取りながら、この映像を見て「怖い」というだろう。しかしまた夕飯に戻るのだ」と。無情です。

そして、彼らジャーナリストらも帰国命令がついに入ります。残されるのは現地の人たちのみ。帰れる(逃げられる)のは、白人のみだ。と。

雨の中、帰りたくないが帰らざるを得ない白人ジャーナリストに、黒人女性が言います。「私も連れてって!私も連れていって!お願い!ここにいたら殺されるか娼婦にされるだけ!!」と。しかし、彼らには何もできません。雨の中うつむきながらバスに乗り込むのです。

現地の黒人だけを残して。

こういう状況がなぜ起こるかというと、フランスやイギリスなど上の国たちは、ルワンダを助ける価値がないと判断したからなのです。

日本が東日本大震災などで危機的状況にあった際に各国が助けてくれる、支援してくれるのは、同情もありますが、利用価値があるからなのです。

これが国と国のパワーバランスなのです。

主人公が奥さんに言うのです。「自分も支配層の人間だと勘違いしていた」と。

まとめ

まとめ、というかラストになりますが、ネタバレを控えつつ書くとすれば、旅行が好きな方や趣味で旅に行く人は、必ず見ていたほうがよい作品です。

アフリカに限らず、フランス・パリやベルギーなどヨーロッパをはじめ各地でテロや暴動は起こります。その際に自分ならどうするのか?最悪の事態を考えて観るのもよいでしょう。また、アフリカに限らず大変な状況に陥っている国や地域、人々にあなたが少しでも裕福であるならば何ができるが考えてみる切っ掛けになると思います。

おまけ

おまけというか、余談にもなりますが、海外でテロに遭遇した場合に対処方法を念のため紹介します。

1.空港や公共のビルディングなどで遭遇した場合

この場合、警備員や警察がいる場所なので、まず、とにかく頭を低くしてください。鉄砲や銃撃は高い位置ほど狙いやすく当たります。またスーツケースなどがあればその陰に隠れる、カウンターなどに隠れることが重要です。しばらくするとすぐに警備員がやってくるので、彼らの指示に従ってゆっくり移動しましょう。けして混乱したからといって、警察に駆け寄ってはいけません。撃たれます。警察も誰が犯人で誰が被害者かわからないだから。

ベルギーの空港では、爆発が起きた後に一斉にそとに逃げ出そうとして第二破にやられたそうです。こちらがメインだとのこと。

2.ホテルやレストランなどでテロに襲われたら

公共の場と違って警備員や警察がいない場所で襲われた際です。ふつうはこちらのケースが多いでしょう。こちらも同じくまずテーブルの下など隠れて頭を低くすることが大切です。そして、ゆっくりと犯人を刺激しないように、移動できるのであればスタッフルームや厨房などに避難することです。ホテルでは火災なども考えられるので高層階が良いとは限りませんが、ロビーよりましでしょう。二次災害を考える前にまずは一次災害の対策を行うのです。

バングラデシュで起きたレストランテロでは厨房の中にある冷蔵庫へ隠れたおかげで助かったケースがあります。

ここで重要なのは、自分が見えるということは相手も見えるということを忘れてはなりません。物陰に隠れてのぞき見をしようとする人がたまにいますが、気持ちはわかりますが、相手も見えています。隠れるならとにかく見も頭もおしりも隠れましょう。しばらくすれば警察が到着しあなたを保護してくれます。

3.道や通りでテロに遭遇した際

最後は、歩いている最中などに遭遇した際です。グアムの通り魔事件でもそうですが、日本人はとにかく危機意識が低いので、少し先で何か異変が起きたら、とにかく急いで走って、その場所を離れましょう。安全な場所へ移動してからテレビやスマホで事件を知ればいいのです。あなたが直接目撃する必要はありません。ましてや動画を撮ったり、写真撮影などしちゃだめです。

また、少し先ではなく、本当に目の前で起きた際には、同じように頭を低くする、車の陰に隠れるなどが有効です。可能であれば民家などに逃げ隠れましょう。

4.動画撮影

ホテルの部屋から少し先の事件を動画撮影している人がいます。気持ちは半分はわかりますし、事件後の犯人確保などに活用されることもあるので是非がありますが、これだけは覚えておいてください。爆風は後からやってくる。

爆弾の音がなり、ベランダやバルコニーから見てみると、遠くでのろしが上がっているのが見えます。2発目、3発目と動画を撮ってみると、爆風が到達し、ガラスが割れて大けがをする。報道はされませんがよくあるケースです。

部屋の中で起きた際には、部屋の奥の安全な場所に隠れて落ち着くのを待ちましょう。またホテルの人の誘導にしたがって避難してください。

さて、おまけが長くなってしまいましたが、日本を含めて他人事ではありません。映画を見ることで史実を学び、自己防衛を考えてみてくださいね。

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