『キャロル(Carol)』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『キャロル(Carol)』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ 映画

『キャロル(Carol)』とは?

『キャロル(Carol)』とは、パトリシア・ハイスミス(Patricia Highsmith)の『The Price of Salt』を原作にし、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの主演で、2016年に日本で公開されました。カンヌ国際映画祭で女優賞、クィア・パルム賞を受賞。アカデミー賞でも各賞でノミネートされました。

どんな内容?あらすじは?

『キャロル(Carol)』は、写真家を目指すルーニー・マーラ演じるテレーズと富豪の人妻キャロルが、クリスマスセールで賑わうテレーズの働くデパートで店員とお客として出会う。キャロルの忘れた手袋を送ることで、関係が密接していく……二人の女性の恋愛を描いた大人の映画。

『男と女』や『(500)日のサマー((500) Days of Summer)』、『愛がなんだ』のような作品です。

ネタバレ

時代背景が1950年代のため、フィルムの色調がクラシックに敢えてしているのが特徴。画面のざらついたエフェクトが、当時を思い返すような気持ちになります。

そのため携帯電話やスマートフォンがなかったり、同性愛者の意識が低い時代。もう少しいえば男性主義の時代でもありました。とはいえ、直接的な暴力や抑え込みはなく、むしろ旦那に対しても意志を見せるキャロルの強さや、男性マッチョ的な彼氏に対して反発するテレーズの眼光の眼差しは、観るものに勇気を与えてくれます。

恋愛とは?恋とは?お付き合いとは?

キャロルとテレーズは、運命的な出逢いをするわけでなく、テレーズもしくはキャロルの一目惚れが結んだのが恋の始まり。

お互いの距離感や相手を知ろうとする行為があるわけでなく、ただ綺麗だから、ただ若いからといった、熱しやすく冷めやすい状態に近い恋愛だと感じました。

とりわけキャロルに至っては実子の親権について旦那と争っているため、本気の恋というよりも逃避の恋愛な気がしてなりません。

別れと再会

そんな二人に事件が起きます。

逢引していたモーテルで情事を交わした二人を旦那の依頼した探偵によって盗聴されていたのです。

如実とともに関係者にふたりの関係が暴かれ、距離も開いていくのです。

テレーズは、ニューヨーク・タイムズに就職し写真家としての道を歩き始めます。かつてのボーイフレンドとの再会もあり、キャロルと久しぶりの再会でも、彼女に対する想いを革新できず揺らぐ。

テレーズはその後、友達に招かれた年末のクリスマスパーティーへでかけ、所在のなさと募るキャロルへの想いを抑えることができず、キャロルのいるレストランへ赴くのでした。

少しずつ近づくテレーズ。そのテレーズに気がつくキャロル。

ふたりの視線が交わり……

素敵なエンディングでした。

まとめ

全体的に派手さや起承転結がかっちり決まった作品ではありません。濃厚さやなぜキャロルに惹かれたのか、テレーズに惹かれたのかわからぬまま、物語が進むのも否めません。

ただエレガントなキャロルと、スタイリッシュでセンスのあるテレーズがお互いの芯にあるものを理解し、その上で恋愛意識がつながったのは理解できます。

可能なら2回観て、小物やファッションに注目してみると楽しいかも。

おしゃれが好きな方や女子会で観るのをおすすめします。

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