『ルックバック』とは?
『ルックバック』とは、集英社の「少年マンガ+」などで連載をしていた藤本タツキにより漫画を、監督を押山清高が努め、声優を河合優実と吉田美月喜により映画化されました。
どんな内容?あらすじは?
『ルックバック』は、小学校の学習新聞に漫画の連載を描いている藤野は、ある日非登校の生徒、京本も漫画を描きたいと先生から頼まれ、新聞の中で2作を並べて掲載。顔も知らない京本の漫画は、とても絵が技工的で、自分の凡庸の作風にショックを受けることに。
しかし、めげることなく、デッサンの本を買い、すべての時間を漫画制作に充てて努力に励むのでした。
小6のあるときに、京本との絵柄の力量が埋まっていないことを悟り、漫画制作を辞めるが、小学校の卒業式後、京本の家に卒業証書を渡しに行ったことをきっかけに、初めて京本と対面。
京本から「藤野先生」と憧れられていたことを知り、改めて漫画制作を再開させるのでした。
そんな、藤野と京本による漫画人生を1時間にまとめたのが本映画。
『BLUE GIANT(ブルージャイアント)』や『グッバイ、サマー(Microbe et Gasoil)』のような映画です。
ネタバレ
本作は、藤野と京本が出会った小学校の卒業がきっかけとなり、藤野は漫画制作を始めます。少年誌に送る用の漫画を、京本と1年がかりで完成させました。
出版社に持っていくと、中学生にも関わらず出来栄えの良さを褒めてもらい、
ある雪の夜、コンビニへ行き少年ジャンプを手に取ると、「準グランプリ」に輝いていました。
賞金は100万円。
そのうち10万円を手に取り、都会へ出たことがない京本を連れて、街へ遊びに行く二人。
映画を観て、クレープを食べて、遊んで。
結局5千円しか使わなかった1日でしたが、二人にとっては思い出深い出来事となりました。
進路が分かれる二人
それから高校生まで二人は「藤野キョウ」として漫画制作を続け、合計7本の読み切りを掲載するまでに。
高校卒業と同時に、連載漫画を勧められたが、京本は背景美術に興味を持ち始め、大学進学を考えていました。
藤野は商業漫画の漫画家へ、京本は美大へと進学していったのです。
事件発生
ある日、漫画を書いている藤野のテレビで、大学に突然男が侵入し、生徒に襲いかかるというニュースが。
なんとその大学は京本が進学した山梨美術大学でした。
不安に感じた藤野は京本へ電話をかけるが繋がらず。
実家の母親からの着信で、京本の訃報を耳にするのでした。
パラレルワールド:もしも藤野と京本が出会わなかったら
葬式後、京本の部屋の前で、卒業式の日、何気なく描いた4コマ漫画が、京本の部屋へ滑り込むのをきっかけに、京本は部屋から飛び出し、藤野と出会うわけですが、もしも「漫画を描かなかった?」「もしも京本の部屋の前に行かなかったら?」「もしも、京本を連れ出さなかったら?」
事件は起こらなかっただろう、と自分を責め立てるのでした。
ここから、京本の視点に変わります。
人と話すのが苦手で引きこもり、漫画ばかりを描いていた京本。
卒業式の日、誰かが部屋を訪れるが、怖くて出られませんでした。
月日は経ち、背景美術に興味が湧き、美大へ進学。
ある日、ベンチで休んでいたところ、男が侵入し、襲われそうになったところを、空手をやっていた藤野が登場し逆態するのでした。
ここで、藤野と京本が出会うのです。
漫画を書いていた大好きな藤野先生だと気づいた京本は、「藤野先生ですか?」と尋ね、藤野がまた漫画を描き始めることを知るのでした。
まとめ
いつまでも描き続ける人生。
藤野は、京本と出会っていようが、出会ってなかろうが、漫画を描いているそんな人生だったのです。
けれど、京本と出会ったことで確実に、思い出が咲き、ただ何もない人生よりも彩る人生へと変わったのです。
だからこそ、最後に藤野は前を見て、漫画を描き続けることに決めたのでした。
余談ですが、私は高校受験の頃に、美術科を受けました。
小さい頃から漫画家になりたく、漫画も描いていましたが、ちゃんと勉強をしたのはその受験の1年間だけ。
美術の先生やOGの先輩に見てもらいアドバイスをもらいながら邁進していましたが、
推薦入試と一般入試の2つを受けるにあたり、先生から言われたのが、
「推薦入試は小さい頃から描いてきた人や実家が画家をやっている人が受かるから、一般入試に受かるのを目標に推薦入試は練習だと思って挑みなさい」と。
実際に、実技審査では素描を行うのですが、推薦入試での周りの生徒たちは段違いに上手かったです。
努力とは才能であり、才能とは努力であることを15歳のあの頃に知りました。
アーティストについてはこちらも参考に