映画『博士と彼女のセオリー』(The Theory of Everything)鑑賞、レビュー、あらすじ、ネタバレ

映画『博士と彼女のセオリー』(The Theory of Everything)鑑賞、レビュー、あらすじ、ネタバレ 映画
映画『博士と彼女のセオリー』(The Theory of Everything)鑑賞、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『博士と彼女のセオリー』(The Theory of Everything)とは?

2014年に英国、イギリスで製作された、理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士、そして妻であったジェーン・ホーキングにフォーカスとして作られたラブストーリーかつ伝記映画です。

スティーヴン・ホーキング博士とは?

スティーヴン・ホーキング博士は、1963年にブラックホールの特異点定理を発表、さらにタイムトラベルが不可能であるとする「時間順序保護仮説」を提唱した宇宙学者(理論物理学者)である。

日本でも『ホーキング、宇宙を語る』が大ベストセラーになり、有名になりました。

昨年2018年3月14日に76歳で死去しました。が、実はすごいことなのです。

どんな内容?あらすじとは?

そんな世界的に有名な理論物理学者の半生を描いたのが本作品。

あらすじは、大学を卒業し、大学院生として過ごすシーンからスタート。類まれなる知的力を持ちつつも、不思議な人柄で他の人を魅了するキャラクターを持っています。そこで妻となるジェーン・ホーキングと出会い、恋に落ち、結婚をするのですが……。

運動ニューロン病、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis、略称: ALS)とは?

教授からも認められ、博士になる夢を持ち、最愛の彼女もでき、人生の幸せに浸る最中、ALSと診断されるのです。

ALSは、アイスバケットチャレンジなどのキャンペーンで有名になりご存知の方もいると思いますが、脳から体の筋肉に送るシグナルが弱くなっていき、最後には喉を動かすこともできなくなり自力で動くことはもちろん、食事を取ることもできなくなる不治の病です。

私がこの病気を知ったのは、ドラマ『コード・ブルー』のセカンドシーズンで登場人物の一人の最愛の彼氏がALSにかかり、最後には死んでしまうという。

そして、ALSの恐ろしいのは、進行性はあるものの、ガンなど他の病気との異なり、それ自体で体を犯すわけではないのです。つまり一気に急進し死に至るわけではなく、徐々に徐々に長い年月をかけて不能な体になっていくのです。その為罹患した方は、他者と比較、過去の自分と比較、未来の自分に絶望し、心が折れていくのです。

本映画でも、最初に医者から診断を受けたときには、余命2年と言われました。が、76歳まで生きた長寿でもあります。

これにはいくつかの理由があり、例えば進行がゆっくりとなったこと、未来を諦めることなく、希望を捨てずに生きていたこと、周りの支え、そして、命の危機を襲ったときに、「生きる」という選択をしたことなどがありました。

結果、スティーヴン・ホーキング博士は3人の子供、2人の妻と結婚という人生を謳歌したのです。

ネタバレ

本作の見所、というかテーマは「壮大」です。

冒頭では宇宙理論や時間をテーマにした研究の話が出てきますが、世界は、宇宙は広く限りない。と語るのですが、スティーヴン・ホーキング博士と妻のジェーン・ホーキングとの夫婦生活、人生の変遷を得て、人生もまた「壮大」であることを見せているのです。この1つのテーマを2の視点で絡ませるあたり、最後まで見ると、感動の鳥肌ものです。

特徴的なのは、2点。子供と第三者の男性と女性です。

病理にかかったとしても、前向きな二人の夫婦生活、子供も生まれ、博士号も取得し輝かしい未来が待っている時代。

しかし、時は進み、ALSの状態も悪化しており、妻の女性の力だけでは介護仕切れなくなります。

また、余談の一つでもありますが、子作りに関してはALSは余り影響がないようで、男性器は脳からのシグナルではなく、ある意味自動的に機能するそうです(と映画のワンシーンでも説明がありました)。

しかし、実際の男女の営みというのは、ソレだけではありません。お互いに愛撫したり愛情を確かめ合うことで満たされるのです。映画ではそういった描写はほぼ避けられていますが、おそらく女性側の不満(いわゆる欲求不満)も、上手に描写しています。

さらに、介護のシーンでも、食事の介護は多く出てきますが、排泄や入浴という重労働については、中盤までほとんど出てきませんでしたが、妻のジェーン・ホーキングが出会う新しい男性の登場によって、男性の介護だからできる重労働も上手に見せているのです。

その逆に、後半看護師である2番目の妻となる、慈愛にも注目です。

つまり、綺麗事だけでなく、人生としての喜怒哀楽は常に存在し、学者ということや病気ということを除いても誰しも起こり得る自体を見せている、重ねているのです。

最後に、スティーヴン・ホーキング博士は妻に言うのです。「見てごらん。僕達が作り上げたものだ」と。そこにはたくましく成長した三人の子供たちがいるのです。

まとめ

宇宙と人生、創造と終焉、希望と絶望。すべてが織りなす素晴らしい作品でした。

特にALSについては知っていましたが、ここまでのものとは知らなかったので、興味深く見られました。生きる上でのヒントが隠されているので、ぜひ人生に絶望した方は見てほしい映画です。

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