『THE FORMAT』とは?
『THE FORMAT』とは株式会社リクルートHRマーケティングや株式会社リブセンスで活躍し、現在株式会社キャスターの取締役の石倉秀明氏による文章術の本です。2022年11月15日に株式会社サンマーク出版より出版されました。
どんな内容?あらすじは?
本書は、文章を生業としているライターや広報を始め、メールやチャットを含めて上司や同僚とやりとりしている方におすすめの文章の大切さをまとめた一冊です。
序章が「書ける人」にだけ、訪れる未来
第一章が、あなたの「書く」を劇的に変える方法
第二章が、「どう書けばいい?」がなくなる10のテクニック
第三章が、あなたの「書類力」を爆上げする5つのフォーマット
第四章は、今さら聞けない、仕事の悩み。こんなときはどうすればいいの?Q&A
第五章は、「テキストだけで仕事をする」に切り替えていくと生まれる未来
の合計5章で構成されています。
『伝え方』や『デザインの言語化』のような内容となっています。
ネタバレ
面白いのが「声の大きさに自信がなくても書くことで伝えられる」という点。
会社で働いていると、当たり前のように会議や決議が行われて、ロジカルに理路整然と話せる人や、声の出し方や魅力のある方に惹き込まれ、何となくそっちが正解のような流れに巻き込まれることは多々あると思います。
この発言力の強さは、色々な要素が含まれていますが、せっかく資料を作ったのに発言力のある人の一言で台無しになる歯がゆい思いは誰にでもあります。
本書では、「皆を納得させられるテキスト資料が作れれば、歯がゆい思いをしなくていい」と綴られていました。
単純接触効果の力
書くことは仰々しいテキストや資料に限らず、チャットも書くことです。
あるクライアント様が、1ヶ月に1回しか接触していないことで不満を持っている反面、営業側は毎月出向いて口頭で説明している、不満を解消していると思い込み、誤解することがあります。
これは、クライアント様は、1ヶ月に一回ではなく、こまめに進捗を教えてもらいたいとか、やりとりをして安心したいという根底が潜んでいました。
チャットツールやメールで、ご機嫌伺いをすることの大切。
たしかに、1度の飲み会で10回会話するよりも、100回のメールやチャットをしたほうが理解度が高まりますし、TwitterやSNSでも単純接触効果が高いと初めましての人でも初めましてじゃない感じを持ちますよね。
具体的な文書術
一通のメールや文章に、あらゆる質問や情報を載せた場合、上司から各ツッコミが入り訂正することに陥ります。
訂正ならまだしも意図とはズレた方向の会話ややりとりが発生し、まとめた時間やまとめた内容とは違った結果になり得ます。
本書では、具体的な内容として、1回ですべてをまとめるのではなく、何度もやり取りを行う良さについて紹介されていました。
フォーマット
ついにきました。本書のタイトルにある通り、フォーマットが設定されています。
1.この文章を、何のために書くのか
2.この文章を、だれが読むのか
3.今日、相談したいこと
4.現状はこうなっています
5.問題はこれです
6.こういう対策をしようと思っています
7.判断してほしいこと
8.いつまでに返事がほしいか
8つのポイントを押さえたフォーマット記載(そして著者に感想メールを送れば電子版がもらえます)されています。
もちろんこのまま使うのではなく、
1だったら、「クレーム対応の相談」、2は「田中部長」などと当てはめてから、実際のメール文章などに落とし込む形になります。
このフォーマットを予めユーザー辞書に登録をしておくことで、すぐに取り出して活用できるというわけです。なるほど~。
まとめ
前半は文章力の大切さを啓発的な内容で紹介している『THE FORMAT』。
具体的なフォーマットを元にした、文章の作成方法や数字の書き方を説明した後半から真骨頂。
上司やクライアント様などに伝わっていない、本当に伝えたい言葉や書き方がわからない方にはとても参考になると思います。
特に、入社したての新社会人の方はおすすめです。
数字を上手に織り交ぜることで、前向きにも後ろ向きにもなる文章方法が書かれていて役にたちそうです。