『お金の未来年表』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『お金の未来年表』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ お金

『お金の未来年表』とは?

『お金の未来年表』とは、モーニングスター株式会社の代表取締役社長である、朝倉智也氏の執筆で2019年7月15日に、SBクリエイティブ株式会社より出版されました。

どんな内容?あらすじは?

『お金の未来年表』は、過去のお金の変化や進化をもとに、未来に向けてお金の価値や考え方、使い方がどう変わっていくのかを年表型で説明した本です。

第一章は、2020年〜2024年 完全キャッシュレス社会の到来

第二章が、2025年〜2030年 ブロックチェーンの急速の進化

第三章が、2031年〜2035年 デジタル通貨時代の幕開け

合計3章で構成されています。

『これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話』や『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』、『ネクスト・ブロックチェーン 次世代産業創生のエコシステム』に似た内容です。

ネタバレ

スマートフォンが登場し、PaypayやLINEPayなどのキャッシュレス決済サービスも一般に浸透し、お金の価値や考え方、使い方、存在まで大きく変化しています。

本書『お金の未来年表』では、現在のお金のあり方と今後の貨幣の変化をビジネスサービスと合わせて説明。

銀行のATMは減っていく?

一昔前は、銀行の窓口、そしてATMで現金を引き出し、その現金を使って買い物や日常生活の支払いをしていましたよね。

毎月お給料日には、ATMには長蛇の列となり、時間がかかっていました。

しかし、今ではそのなりは潜め、並ぶ人も時間も減りました。

スマートフォンを利用して、キャッシュレス決済で買い物ができますし、家賃や支払いもクレジットカードや銀行での自動引き落としなど、現金がなくても生活や生きていくことができるようになっています。

そもそも、銀行の「預金」業務には、さまざまなコストが発生します。

預金通帳自体の印刷費、ATMの設置、そして定期的なメンテナンス費、人件費など、1冊の通帳に対して毎年200円の印刷税が発生しているのです。

しかも、口座を開設している個人、法人を問わず、印紙税は1冊につき、毎年200円の税金が取られてしまいます。

例えば、三菱UFJ銀行では、約4000万の口座があり、印紙税だけで約80億も負担しているのです。

その為、銀行では不要な口座の凍結や口座維持手数料の徴収を一斉に導入すると言われています。

さらに、銀行ATMの撤廃を進め、使わない場所や利用頻度の低いATMは減らす方向だそうです。

そして、ライバルの競合銀行と手を組んで、一つのATMで複数の銀行の口座が扱えるようになります。

2019年には、三菱UFJ銀行と三井住友銀行では両銀行のATMを開放し、相互開放しています。それぞれの銀行の口座開設者は、利用手数料が平日の日中であれば無料と、サービス内容は変わらずに、一つのATMでコストを減らすことができるようになりました。

三菱UFJ銀行との店舗外ATM共同利用開始について : 三井住友銀行
三井住友銀行の店舗やATMに関する情報を紹介しています。店番号やATMの営業時間、所在地が確認できるだけでなく、土曜日営業店、店舗の統合情報なども紹介しています。

デジタル通貨の台頭

そもそも、キャッシュが減り、ATMが削減していく理由はなんでしょうか?

「デジタル通貨」の登場です。

デジタル通貨とは、モノとしての通貨ではなく、デジタルデータに変換された通貨という定義があります。

身近なところでは、Suicaや楽天Edyといった電子マネーから、最近耳にする機会が増えたビットコインなど仮想通貨、そして、ネット通販やオンラインゲームの中で使うバーチャルマネーも該当しています。

とはいえ、仮想通貨は価格が変動しますが、銀行が発行する電子通貨は価格が変動しません。その性質によってお金の価値や種別が変わるので注意が必要です。

単一市場の登場

2035年には、様々な取引や伴う売買ができるようになると言われています。

つまり、一つのマーケットで完結した売買が可能になるのです。

例えば、株式や債権をデジタル化したデジタル株式やデジタル債権が登場し、そのままネットで送信して取引が、ブロックチェーン技術を利用してできるようになります。

イメージとしては、メルカリやヤフオクのように、不要な商品の売買をし、そこで生まれたデジタル通貨をネット証券を利用して投資や債権購入を行う。配当金が発生し、そのお金をPaypayなどキャッシュレス決済で支払い。

一切、現金が登場せずに、毎日生活できるようになるのです。

5Gの登場

2019年4月に、日本では5Gが登場。第5世代として、携帯電話やスマートフォンでは新しいステージで、ネットワークが利用できるようになりました。

特長として、

1つ目が、高速大容量になりました。通信速度が大幅に上がり、4Gの100倍です。2時間の映画のダウンロードが5分かかっていたのが、3秒で済みます。

2つ目が、低遅延です。4Gでは0.01秒だったのが、0.001秒になったのです。

3つ目が、多数同時接続です。IoTを始め、100万台の端末の同時接続が可能になりました。

つまり、通信速度が上がり、多数同時接続が可能になったことで、あらゆるサービスやシステムを遅延なく同時に処理できるようになるのです。

その結果、一つひとつの手間や無駄な時間が減り、あらゆることが一つの市場で取引ができるようになります。

情報銀行の登場

そんな単一マーケットができあがると、最終的には利用する人間の良し悪しが影響していきます。

そこで、現在も頭角を現している、信用情報がより重要となるでしょう。

情報銀行が、あらゆるデータを集め、信用リスクへと変えていくのです。

面白いのは、Paypayを始めとした、キャッシュレス決済サービスが多額の投資金を使ってキャンペーンを実施するのは、この情報データを収集し、購買データを収益化するのが狙いなのです。レコメンド機能を使うなどして、適正の高い情報や商品を売りつけるのです。

まとめ

お金の過去・現在・未来を集約した内容と思いきや、未来に向けてお金のあり方や考え方の変化を解説した本書『お金の未来年表』。

新しいビジネスチャンスやビジネスモデルを考えている方におすすめの一冊となっています。

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