『日曜日は終わらない』映画・ドラマの感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『日曜日は終わらない』映画・ドラマの感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ イベント

『日曜日は終わらない』とは?

『日曜日は終わらない』は、1999年にNHKで放送をされたのが公開スタート。監督は、1997年に関川夏央の小説『水の中の八月』を映像化した高橋陽一郎。主演は同じく水橋研二が務めました。

第36回シカゴ国際映画祭国際批評家連盟賞や第53回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」正式招待作品、第6回釜山国際映画祭正式出品作品、第2回全州国際映画祭正式出品作品、第3回NHK アジア・フィルム・フェスティバル正式出品作品など海外でも評価を得ているにも関わらずNHKでは再放送をしたり、『水の中の八月』のようなソフト化もされていないため、目にする機会がほとんどない隠れた名作です。

『日曜日は終わらない』映画・ドラマの感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

黄金町映画祭や多摩フェスティバル、有楽町フォーラムなど映画イベントでしか観ることはできず、2022年3月6日に国立映画アーカイブで開催されている「1990年代日本映画――躍動する個の時代」で、久しぶりに上映されました。

1990年代日本映画――躍動する個の時代 | 国立映画アーカイブ
国立映画アーカイブの1990年代日本映画――躍動する個の時代のページ。

どんな内容?あらすじは?

『日曜日は終わらない』映画・ドラマの感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『日曜日は終わらない』の主人公である28歳の一也は、父が務める工場から、直接父親からリストラを言われる。

退職後、就職もせずフラフラと時間を潰す中で、風俗嬢の佐知子と出会ったり、祖母が交通事故で亡くなりその過失を行った男性が、母親と再婚するなど、目まぐるしく変化が訪れる。

ある日、佐知子と海へ行く約束を行うが、約束をした日曜日が訪れることはなかったのでした。

『日日是好日』や『空に住む』のような作品です。

ネタバレ

『日曜日は終わらない』映画・ドラマの感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

キーパーソンである風俗嬢の佐知子役を、伝説的なピンク映画女優である林由美香が演じたことで本作は一気に話題に。

しかし、先述のようにソフト化していないため作品を観る機会はほとんどないため、幻の作品となっています。

鮮烈な物語と長回しを中心とした作風

高橋陽一郎監督の手法は、一つのシーンを長回しをし、カメラをずらした際に、エキストラやバックの風景を変える面白い映像です。

『水の中の八月』では、競泳前と競泳後をワンカットで繋げるというのがありました。

『日曜日は終わらない』でも、ラーメン屋でご飯を食べるシーンや、冒頭の祖母が交通事故に遭うシーンで使われています。

また、主人公に自転車を乗せるのが得意なようで、『水の中の八月』でも『日曜日は終わらない』でも、そしてその後作られる『ビタミンF』では市原隼人にも同様の演出で自転車に乗せています。

自転車を乗り回すことで、行き場のない想いや葛藤を体現しているのです。

一也の変化と想い

本作は脚本を出演もしている岩松了が手掛けています。

一也は、淡々としている青年です。

リストラを言い渡されても、祖母が亡くなっても、母親が再婚しても表情や態度に変化はなく、飄々とした印象。

しかし、変化が現れるのは2回あるのです。

一つ目が、ランジェリーパブで佐知子と話している時。これが恋心なのか下心なのかは不明ですが、嬉しさと照れを、主演の水橋研二は上手に演じています。

2つ目が、再婚した男性との確執です。ちなみに再婚男性を演じているのは映画監督しても有名な塚本晋也です。

父親ぶって、一也の愛用している自転車に乗ったり、自宅でお風呂の中に潜る自分の聖域を、一緒に入ろうとしたりと、ウザい存在でもありました。

そして、ある事件が起こるのです……。

名優が勢ぞろい

本作は、主演の水橋研二だけでなく、『水の中の八月』でヒロインを努めた、伊藤歩や大杉漣、絵沢萠子、山口美也子といった高橋陽一郎作品の常連が勢ぞろい。

さらに、当時水橋研二と同じ事務所の今井事務所だった渡辺哲やりりぃなど名優が揃っているのも見どころの一つです。

ラストの2つの意味

『水の中の八月』は凡庸とした日々を過ごす高校生の話。夏が終わり、そのまま秋が訪れるという切なさを滲ませる終わり方でした。

しかし『日曜日は終わらない』は、28歳の男性の話。終わりはなく、刑務所へ入ってからも、会えなかった日曜日をやり残しと悔いとして、佐知子と再会することで、果たしてしまうのです。

ラスト、海に飛び込む一也。

海に漂う赤いパンツは何を示していたのでしょうか。

そして、もう一つのラストが父親が散髪している家の屋上へ帰ってきた時に、父親の髪を散髪するシーンです。

一也は帰ってきたのでしょうか。

ちなみに、父親役の渡辺哲が「上手じゃないかどこで覚えたんだ?」と一也に質問し、「ちょっとね」と誤魔化していますが、実は一也役の水橋研二は役者になる前に美容師になるために専門学校へ行っていた経緯があります。

恐らくアドリブで、それを知っていた渡辺哲が問いかけたのではないでしょうか。

まとめ

伝説的な作品、『日曜日は終わらない』。

10年以上前に観た作品をまた観ることができて嬉しく思います。

また、次に目にする機会が訪れるまで、ここに記します。

色々な方の目に届きますように。

そして願うはソフト化やサブスク配信など一般流通されること願います。

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