『天才スピヴェット(L’extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet)』とは?
『天才スピヴェット(L’extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet)』とは、アメリなどで一躍日本でも有名となった、ジャン・ピエール・ジュネ監督により『ライフ・ラーセンの小説「T・S・スピヴェット君 傑作集」』を原作として2013年に公開されました。
どんな内容?あらすじは?
『天才スピヴェット(L’extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet)』の主人公は、両親と姉、双子の弟を持つT.Sが主人公です。
父親はカウボーイ、母親は昆虫博士をし、モンタナの牧場で慎ましく暮らしている家族。しかし、ひょんなことがきっかけで、弟がなくなり、またT.Sの出したアカデミックな研究学術が認められ、少年は一人、旅に出るという物語。
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い( Extremely Loud & Incredibly Close)』や『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』『僕と世界の方程式(A Brilliant Young Mind)』のような映画となっています。
ネタバレ
アメリなどの映画で監督をしているジャン・ピエール・ジュネの手法で、アニメやコミカルな童話的な表現が特徴は本作でも十二分に発揮されています。
ただ、アメリの時もそうだけれど、「なぜそうなのか?」と突き詰めるよりも、そこに至ったのかを観ていくほうがよほど頭に入ります。
例えば、主人公のTSが、なぜ頭が良いのかとか、彼は何がしたいのか、ではなく、弟の不遇な死を受けて、決意する点や、父親と母親の気持ちを気遣いながらも、自分の無力さに嘆き点などを、感情として観ていく感じです。
TSは牧場では力になれない体力のため、頭脳を活かして、誇りたい、そして褒めてもらいたいと思い、旅に出たのでしょう。
中盤から旅の物語
アメリとひと味違うのは、前半の牧場での生活から、中盤からはNYへ向けて旅に出るシーンへと切り替わる点です。
前半の、安穏とした雰囲気から一変して、後半はアクティブで躍動感のある場面が目まぐるしく登場するので、観ていても飽きが来ないでしょう。
主人公は孤独を感じながらも、今はいない双子の弟と対話し、勇気を持って前へ進むのです。
ゲストに母親登場
ラストでは、賞を受賞したあとに、突然母親がゲストで登場。
母親の想い、気持ち、家族としてのつながりを再認識し、牧場へ戻ってくるのでした。
(父親も来ていました)
まとめ
面白いのが、ラストのエンディングロールです。
当たり前ですが、出てきてたキャストを名前で紹介するのですが、アニメーションチックで一人ひとりにフォーカスをあてて紹介しています。
ちょい役を含めてしっかり紹介しているのは、好感の持てる終わり方でした。
家族で、友達と、一人でも楽しめる映画でおすすめですよ。