『太陽がいっぱい(Plein Soleil)』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『太陽がいっぱい(Plein Soleil)』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ 映画

『太陽がいっぱい(Plein Soleil)』とは?

『太陽がいっぱい(Plein Soleil)』とは、アラン・ドロン(Alain Delon)主演で、ルネ・クレマン(Rene Clement)が監督、1960年に公開され、その後1999年に『リプリー』として、マット・デイモン主演でリメイクされています。

どんな内容?あらすじは?

『太陽がいっぱい(Plein Soleil)』は、アラン・ドロン演じるトムと、大富豪の息子フィリップとの表面的な友情を描いた作品。そしてサスペンス映画として、中盤からはトムの犯行が目立ってくる内容です。

嘘を題材にした、『ベロニカとの記憶(The Sense of an Ending)』や時代的には、『おいしい生活(Small Time Crooks)』のような哀愁さが滲んでいます。

ネタバレ

イケメンだけど、身分が低いトムをスター俳優アラン・ドロンが演じ、お金があるため傲慢なフィリップとの友情という表面さを出しながらも、お互いに心の中では見くびっているという関係性。

船に乗り、イタリア、ローマへ向かう途中で、悪戯半分で海に放り出せれたトムは、隠していた悪意を狙っていたかのように表に出す。ここまでが前半戦と言えるでしょう。

そして、中盤からは、フィリップへ成りすまし、上流階級のフリと優雅な生活に浸り完全犯罪へ向けて着実へコマを進めていくのです。

アラン・ドロンの演技が光る

本映画の見どころはなんといっても、アラン・ドロンの名演技でしょう。苛烈さは少ない分、野心がギラつき、フィリップの衣装を借りて、自己愛に浸るシーンなど、演技以上の気持ち悪さを表現。さらに、そのピエロな姿をフィリップに観られ、突っ込まれても、「冗談さ」と、驚きを見せない肝の強さもあり、これは後半の場面でも随所に見られます。

このサイコパスさは、トムのキャラクターと相まって、人気と映画となった意味が十分に理解できました。

栄光のその先には?

ラストに主題である「太陽がいっぱいだ」と、輝かしい現在を例えるシーンがあります。

お金も美人の彼女も手に入れて、最後の締めを完結する間近。まさに輝くときの中です。

しかし、フィリップがそうであったように、お金はいくらあっても、虚無さが生まれいつかは破綻することが目に見えています。

本映画のトムは、単純にお金欲しさで事を進めているのですが(それは劇中にフィリップも言っている)、その先にはきっと何も見つからないような気がします。

お金や富とは違う欲望を描いたのが『リプリー』だそうなので、そちらも今度は鑑賞してみたいと思いました。

その前に、未見の方は名作をぜひご覧ください。おすすめです。

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