『エゴイスト』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『エゴイスト』とは？

『エゴイスト』とは、高山真の同名原作の映画化で、鈴木亮平と宮沢氷魚が主演を務めたLGBT（ゲイ）映画です。

『エゴイスト』は、鈴木亮平演じる浩輔と、宮沢氷魚が演じる龍太との甘酸っぱい恋愛映画です。と思いきや実は家族や想いの繋がりを描いたヒューマンドラマでした。

『ある少年の告白（Boy Erased）』や『秘密のキス（Baisers cachés）』のような作品です。

本作は明確に分けられたわけではないが、前半と後半の2部構成の作品としてみると、全く違った色味のある映画として感じられます。

田舎から上京してきて売れっ子ファッション編集者として活躍する浩輔は、気ままなゲイライフを過ごし、ブランド品に身を包み高級マンションで過ごす成り上がりタイプ。

そんな浩輔は個人トレーナーとしての龍太と出会い、いつしか恋をし恋人経と発展していく。

龍太は病気がちな母親と二人暮らし。高校を中退しアルバイトを掛け持ちしながら生活と将来のために頑張る好青年。

そんな境遇も環境も異なる2人はいつしか、それぞれの過去につながることに。

特に龍太はアルバイトだけではお金が稼げないため身を売ってお金を得ていることを浩輔に告白をし、一旦別れを決意する。

しかし、浩輔は忘れられず、龍太を探し出し、自分が「お金を出す」と、その世界から足を洗わせる。

それぞれの課題はあっても、なんとか乗り越えた2人。しかし、ある日突然龍太が急逝してしまった。

浩輔は突然のことで悲しみの渦に取り込まれる。

龍太の母親が喪主を務める葬儀へ出席し、必要以上に取り乱す始末。

後日、龍太の母親のもとへ、お見舞いも兼ねてやってきた浩輔は、自分が龍太の代わりを務めるかのように、料理を作ったり一緒に食べたりと、親孝行を行うのです。

実は浩輔も子供の頃に母親を亡くしており、龍太の先に、自分の母親の面影を龍太の母親に見ていたよう。

本作の真骨頂は、タイトルが温かみのあるタイトルではなく、冷淡な「エゴイスト」を使っている点です。

龍太の母親にまでお金を渡す浩輔。

家族でもなく、ましてや実の息子もなくなっているのに、ある種の図々しさでお金を渡すエゴ。

そう、愛ではなく、自分のことを敢えて「エゴイスト」と呼んだ、高山真の愛情の裏返しなのです。

愛とは、もしかすると、他人からしてみたらエゴなのかもしれない。

家族や恋人と観てほしいおすすめ映画です。

高山真のブログも感じるものがあるのでぜひご覧ください。

鈴木亮平のインタビューならこれ良かった。エゴイストじゃないけど、小栗旬との対談で役者魂が見えて読み応え高かったなぁー！