『ダンサー・イン・ザ・ダーク(Dancer in the Dark)』とは?
『ダンサー・イン・ザ・ダーク(Dancer in the Dark)』とは、歌手であるビョーク・グズムンズドッティル (Björk)が主演を務め、デンマーク出身のラース・フォン・トリアー (Lars von Trier)が監督をした映画です。第53回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞するなど各映画祭で評価が高い作品となっています。
どんな内容?あらすじは?
『ダンサー・イン・ザ・ダーク(Dancer in the Dark)』は視力が低いシングルマザーのテルマ役をビョークが演じ、テルマは一人息子が将来同じように目が見えなくなるかもしれないため手術費用を貯めているが、友人や知人、周囲の人間関係によって不幸のどん底に突き落とされてしまう暗い内容が特徴です。
とはいえ、始終暗いわけではなく、ビョークは妄想癖があり妄想の中では歌い、踊り、軽やかな場面もありミュージカル調の雰囲気が全体のバランスを上手に見せています。
『ジョーカー(Joker)』や『パラサイト 半地下の家族』、『万引き家族』のような作品です。
ネタバレ
「観終わったあとに憂鬱になる映画」として上位として挙げられる作品ですが、なぜそうなのか観てみました。
結論からいうと、始終暗澹な雰囲気が醸し出されており、ロケーション場所やBGMを含むて予算の低いインディーズ映画のよう。
そのため、第一印象から生理的に苦手意識を持つ人も少なくないでしょう。
テルマの行動
さらに、登場人物の劣悪さもありますが、全員が悪いわけでなく、友人や工場の上司などテルマの健気さに心打たれて力になろうとする人物もいます。
しかし、頑固な性格からか、言葉に耳を貸さなかったり、助けを乞うことに突っぱねてしまう点もあります。
これは、先述した『Joker』でもそうですが、弱さと人の助けやチャンスを逃してしまうことで、一層堕ちてしまう点が不運や不幸が重なる要因となるのです。
まあどちらも映画ですから、上手く行かないように作られています(笑)。
けれど、感情移入してしまう人には、この行動や負の連鎖でイライラが募ってしまい、嫌悪感を出すのかもしれません。
衝撃的なラストシーン
不幸の連続だけでなく、ラストは罪を被って死刑囚として刑を受けるのですが、直前までテルマの顔のアップ、そこから引きで「ガーッと」、そのシーンを映します。
直接的な見せ方や表現を避ける傾向が多い映画の中で、ダイレクトな場面で、急降下するため、心臓が悪い方や驚くアクションが苦手な方(お化け屋敷とか)は、ここでダメージを受けてしまうんだと思います。
まとめ
「観終わったあとに気分が悪くなる、憂鬱になる映画」として話題の本作をやっと観ることができました。
個人的には、そこまで嫌らしさはなく(同様に悪名高い『ミスト』とかの方がよっぽど)、全体として流れができている点。
そして、ビョークの歌い踊るシーンが観られたりと、エンターテイメント要素も充実しています。
例えば、雨の日に部屋にこもって、ホットミルクなんか飲みながらじっくり、まったり観るのにおすすめの映画かもしれません。