『書く仕事がしたい』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『書く仕事がしたい』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ 書評

『書く仕事がしたい』とは?

『書く仕事がしたい』とは、ライターであり、コラムニストでもある佐藤友美さんが執筆し、2021年11月6日にCCCメディアハウスより出版されました。

どんな内容?あらすじは?

『書く仕事がしたい』は、ライターを20年以上し、書籍を61冊上梓したベテランライターによる、「物書き」として仕事を得るためのハウツーが書かれた内容です。

第一章が、書く仕事を知りたい

第二章が、デビューするまでのこと

第三章が、書く仕事に必要な技術

第四章が、書く仕事に必要なマインド

第五章が、とどまらずに伸びていくこと

合計5章で構成されています。

『新しい文章力の教室』や『コンテンツマーケティングの教科書』、『ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル』のような本となっています。

ネタバレ

ライターになりたい、書く仕事をしたい、そう思ってもどこから始めればわからない方がほとんどのはずです。

誰もが最初は新人ライターとしてスタートし、紙の書籍や雑誌を経験し、ウェブライターとしても活躍していく。

本書でも筆者が61冊の書籍を出したうち、29冊は持ち込み企画です。と冒頭から衝撃発言。

そうなんです。何もせずに仕事を得ているわけではないのです。

他己紹介から見えてくる視点の変え方

佐藤友美さんが講師を行うライター講座では、他己紹介を行い、5分でヒアリング・インタビューを実施。他者を紹介するトレーニングを行っています。

これ、面白いのが、2回実施すると、「先に紹介された情報はもう伝えなくていいだろう」とか「先に紹介された情報をもっと深堀りしてみよう」「まったく違った角度から質問してみよう」など、変化球を考えた質問に変わります。

インタビューも同じで、他の媒体や雑誌、テレビで紹介された内容ではなく、角度を変えた紹介を行うのと一緒。それを授業で実践していたのです。

編集者はいつもライター・書き手を探している?

本書では書籍ライターを例に紹介されています。

日本では1日約200冊の新刊がリリースされていて、つまり年間7万冊以上の書籍が出版されているのです。

そのうち3割程度がライターが執筆しているとして、約2万冊はライターが書いていることに。

年に10冊書く書籍だけのライターだとしても、2000人が必要になる計算です。

しかし、実際に年10冊コンスタントに書ける人はいないので、4000人から5000人の書籍ライターが必要になります。

しかし、日本に4、5000人のライターがいるのかというといませんので、「ライターが足りていない」という数字になるのです。

ファッション誌の原稿料

では、具体的にライターになったらギャラはいくらか、お金はどれくらいの金額がもらえるのか気になるところです。

本書ではファッション雑誌で、ページ単価が1.5万〜2.5万円。

ウェブ媒体の原稿料が、ニュース系ば媒体のインタビューで1本2万〜8万円。

書籍は、買い切り・取っ払いという一括原稿料が40万〜70万円。

印税は初版が筆者とライターでの割合で5対5や6対4、重版すると筆者7対3になるそうです。

売上をキープする9つの戦略とは?

①広告やオウンドメディアの仕事で安定収入がある

②企業の仕事を受けている

③著名人の専属ライターをしている

④編集者の仕事もしている

⑤編集プロダクション的な仕事をしている

⑥原稿だけでなく、イラスト、写真、動画なども納品できる

⑦ライターになりたい人や、ビズネスパーソンなどを相手に文章を教えている

⑧専門分野があり、その分野でアドバイザーやコンサルティング、講演などをしている

⑨年に1冊程度は数万部のヒット本に恵まれている

以上9つを自分の年齢やライフスタイルに合わせて組み合わせることでライターの仕事を続けていけるのです。

犯人しか知らない証拠を聞き出すとは?

ちょっと不穏な小見出しですが、例えば「昨日1万円拾ったんだよね」だけでは、話にオチもなく面白みもリアリティもありません。

そこで「昨日、1万円拾った。雨が降っていたらから、1万円札がアスファルトにぴたーっとくっついている。破れないようにそっと剥がした」というような犯人にしかわからない証拠を説明するように書くのが重要です。

ライターが取材したときには、実際に経験した人しか知り得ない、音や匂い、手触りを聞き出す、五感にまつわる言葉を聞いて、それを文章に盛り込むことで臨場感のある描写となります。

企画とアイデアの混同

ビジネスシーンで企画提案をした!といいますが、実際にはアイデアベースで終わることもしばしば。

では、アイデアと企画の違いとは何でしょうか?

本書では、「石原さとみさんをテーマにこんな本が書きたい!」はアイデアです。実現するかどうかは石原さとみさんが承諾してくれて、スケジュールが押さえられるかどうか。自分が握れないのであれば、アイデア止まりです。

単なるアイデアにはビジネスの価値はありません。実行できることまで保証できて初めて、企画なのです。

まとめ

ハウツー本でありがちな文章作成術ではなく、活きるノウハウが詰まった内容となっています。

特に文間のコラムではコラムニストとしての丹精込められたコラム内容には痺れます。

具体的な経験に則った内容で読みやすく読了感もあるので、文章力を上げたい方やこれからライターが文筆家、物書きとして仕事をしていきたい方におすすめの一冊です。

タイトルとURLをコピーしました