『グリーンブック(Green Book)』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『グリーンブック(Green Book)』映画の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ 映画

『グリーンブック(Green Book)』とは?

『グリーンブック(Green Book)』とは、実在した黒人ピアニスト、ドン・シャリーこと、ドナルド・ウォルブリッジ・シャーリー(Donald Walbridge Shirley)と、そのボディーガードを引き受けたイタリア系白人トニー・リップ(Tony Lip)との、アメリカ南部のコンサートツアーを巡る大人の友情と黒人差別、ロードトリップの映画です。アカデミー賞では、作品賞や助演男優賞、脚本賞を受賞しました。

どんな内容?あらすじは?

『グリーンブック(Green Book)』は、世界的に認められた音楽家ドン・シャリーは、黒人の差別を受けながらも名誉と名声、そして多額のお金を得ている反面、自分は黒人にも白人にもなれない葛藤を抱えています。

そんな中、より差別や偏見が蔓延るアメリカ南部へのコンサートツアーへ出かけることに。運転手としてならず者のイタリア系白人であるトニーを雇い、相反する二人の旅が始まったのです。

『秘密と嘘(Secrets & Lies)』や『マンデラ 自由への長い道』、『女を修理する男(The Man Who Mends Women The Wrath of Hippocrates)』に似た作品となっています。

ネタバレ

本映画『グリーンブック(Green Book)』は、基本的に白人のトニー目線で描かれているのが特徴です。

白人であり、肌の色で極端な偏見や差別を受けることなく、どちらかというと黒人に対して嫌悪感を持つトニー。しかし、家族のため、お金のために、ツアーへ同行することを決意するのでした。

車の中では、二人きり。価値観もこれまでの生き方も、考え方もすべて真逆。ぶつかることも多い関係だったのが、南部での思いがけない差別の酷さと、ドン・シャリーの音楽家としての才能と気高さに感銘を受け、徐々に友情へと変わっていく作品です。

旅の情景

本作の別の見所として、各地の街の雰囲気や景色、慣習が登場し、旅の情緒感を感じさせます。本題ともなっている「グリーンブック」とは、黒人でも泊まれるホテルを記したガイドブックでもあり、白人の泊まる絢爛豪華なホテルには泊まれず、寂れたモーテルにしか泊まれないという現実。

そして、飲み屋へ行っても攻撃的な白人からの被害に合うという理不尽さ。

そんなギャップとは裏腹に、長閑な田園光景が醸し出す自然と、人間の怖さと美しさが表現されています。

対極

本映画の特徴としては、まさに対極でしょう。白人と黒人。孤独と家族。静寂と暴力。

そんな象徴するワンシーンとして、白人が運転する車で移動するドンたちの前に、農園で働く黒人たちが、二人を眺めるのです。異様な光景を感じる両者。

黒人なのに、白人にこき使われずに、むしろ王様のような佇まいで白人を雇っている姿と、黒人というだけで、こき使われる黒人の面々。

柵を境にして、対局する両者。しかし旅人であるドンとトニーは彼らと交わることなく、流浪していくのです。

まとめ

黒人差別を背景に描いた、ドンとトニーの友情物語。

人の持つ想いや感情、そして世間の冷たい仕打ちの数々を、何度となくぶつかりながらお互いに信頼と友情へと築き上げていく様は素晴らしいです。

家族でも、一人でも、恋人同士でも、楽しめる作品なのでおすすめですよ。

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