『シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)』とは?
『シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)』とは、第17回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得。カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)が主演を、監督をジャック・ドゥミ(Jacques Demy)が務めましました。
どんな内容?あらすじは?
『シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)』は、1964年に公開されたフランス映画で2009年にデジタル版が販売されました。
17歳のジュヌヴィエーヴと20歳のギィは、若い恋仲のふたり。車の整備工場で働くギィと女で一つの母親の傘屋で働くジュヌヴィエーヴは、若さゆえの煌きと恋のときめきで通じ合い、未来の不安を抱きつつも、確固たる想いで通じあっていました。
しかし、ギィが徴兵されて2年間不在になるのと、旅立つ前に営んだことで、ジュヌヴィエーヴのお腹に子供が出来てしまう……。
連絡が取れないギィとの関係や、懇意にしてくれるお金持ちの宝石商の存在と揺れ動く想い。
2年後、任務が終わり戻ってくるギィだったが、すでにジュヌヴィエーヴは結婚し、パリへ移住してしまったと聞き、失意の想いに駆られる。健気に尽くしてくれる幼馴染と距離が縮まり、やがて結婚へ。
それから4年の歳月が経ち、ある雪の日にギィの経営するガソリンスタンドへジュヌヴィエーヴが立ち寄り偶然の再会、そして永遠の別れを行い、映画は終焉するのでした。
『太陽がいっぱい(Plein Soleil)』や『マイフレンチフィルム・フェスティバル』、『ココ・アヴァン・シャネル(Coco avant Chanel)』に似た内容となっています。
ネタバレ
ストーリーは、シンプルな若い二人の恋が、2年間の別れによって、恋が上手くいかなくなり、それぞれの恋愛相手を見つけ、人生を歩むというありきたりな内容。
しかし、本映画『シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)』では、なんとセリフを前編ミュージカルのように歌っているのです。
しかも、主演の二人だけでなく、脇役やエキストラまでいちいちセリフを発する際に、歌っているので、なんというか真面目に演じていても、滑稽に見えてしまいます。
それでも、お店の中でのシーンでは、店の外の雨や風、人の流れ、動きといった描写や絶妙な演出がひかり、まるでミュージカルのような錯覚に陥る。
まとめ
特に最後は、雪の降り積もるガソリンスタンドでの再会と別れのシーンが印象的。タイトルのあるように雨を中心とした天気の作品で、あまり晴れ模様は映らないのが、ラストは雪へと変わるというメタファーも素敵でした。
悲愛ですが、世界観と音楽劇を十二分に堪能できるでしょう。雨の日に恋人とじっくり観るのにおすすめです。