『フリー 無料からお金を生み出す新戦略(FREE The Future of a Radical Price)』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ

『フリー 無料からお金を生み出す新戦略(FREE The Future of a Radical Price)』本の感想、レビュー、あらすじ、ネタバレ お金

『フリー 無料からお金を生み出す新戦略』とは?

『フリー 無料からお金を生み出す新戦略』とは、雑誌『ワイアード』の編集長を務め、「ロングテール」という言葉を生み出したクリス・アンダーソン(Chris Anderson)氏の執筆で、日本放送出版協会(NHK出版)より出版された本です。

どんな内容?あらすじは?

今や、無料で手に入る音楽コンテンツ、ゲーム、情報、サービス様々なモノが溢れています。しかし、なぜ無料なのでしょうか?日本のことわざに「タダより高いものない」という言葉がありますが、その無料である理由を書かれたのが本書『フリー 無料からお金を生み出す新戦略』となります。

第一章が、フリーの誕生。第二章が、フリー入門。第三章が、フリーの歴史。第四章が、フリーの心理学。第五章が、安すぎて気にならない。第六章が、情報はフリーになりたがる。第七章が、フリーと競争する。第八章が、非収益化。第九章が、新しいメディアのビジネスモデル。第十章が、無料経済はどのくらいの規模なのか?

第十一章が、ゼロの経済学。第十二章が、非貨幣経済。第十三章が、(ときには)ムダでもいい。第十四章が、フリー・ワールド。第十五章が、潤沢さを想像する。第十六章が、お金を払わなければ勝ちのあるものは手に入らない。の合計16から構成されており、350ページの文量です。

『グロースハッカー』や『フラグメント化する世界 ーGAFAの先へー』、『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』に近い内容となっています。

ネタバレ

インターネットを始め、フリペーパーや無料のサービスが巷では当たり前のように存在します。では、一体なぜ無料のサービスが始まったのか。その歴史も紐解きながら、今日に至るまで。また、無料コンテンツをお金に変える仕組みや戦略をまとめているのが、本書『フリー 無料からお金を生み出す新戦略』です。

もともと、フリーが誕生したのは、1895年にニューヨーク州ルロイに済むパール・ウェイト氏がゼラチンを元にある食べ物を作った出来事からスタート。

しかし、中々売れず四苦八苦していた所、レシピ本を作成しセールスマンが、主婦に無料で配ったのがきっかけで、爆発にその食べ物がヒットしたのが、いわゆる「フリー」の始まりでもあります。

第三者間市場

今日では当たり前ですが、製造者がいて、消費者にコンテンツを無料で提供。その中に広告主が製品に広告をつけ、製造者は広告主からお金をもらう。いわゆる広告ビジネスですね。

テレビやラジオも同じ仕組みで、無料で視聴させる代わりに広告を掲載する。今では無料が当たり前になっており、逆に有料にすることで敷居が高くなり、コンテンツの売り出しとして壁が高くなります。

日常生活に見られるフリーの分類

例えば、アップルストアで無料教室を開催→顧客が何かを買うことを見込んでいます。

これは、スポーツクラブの無料体験や、乳幼児向けの音楽教室の無料体験、アイスクリームのコーン無料日、ポッドキャストでBBCの外国語クラスも同様です。

フリーミアム

他にも、フリーミアムとして、無料でできることにプラスして、有料バージョンを紹介。例えば、スカイプであれば、無料電話ができることに加えて、有料になると、携帯電話へも通話ができます。

こういった有料領域を別に用意して、サービスと質の向上で、無料ユーザーから進化させるわけです。

消費者が集まるコミュニティが重要

人・金・モノ。ビジネスを行う際に必要な3要素と言われています。また、「お金よりも人を集めることの方が難しい」と、ヒットクリエイターも発言しています。

結局、「消費者が集まるコミュニティがないかぎり、本やビデオ、雑誌を出すことは考えられません。結局、物語性が重要」と。

そして、フリーミアムの例でも言われているとおり、無料は結局無料でしかなく、乱雑されたコンテンツをもらい、整理に時間をかけるよりも、有料版を利用したほうが、時間的対価は十分に元を取れるのです。

ラジオの過去

これは、ラジオの世界でも同様です。

上記で書いた通り、テレビやラジオは、現代ではCMなしは考えられません。

しかし、元からそうだったわけではなく、ラジオの機器を購入してもらうために、わずかな予算でラジオ局を立ち上げ、僅かな予算で賄っていたのです。なので、スタジオへ行きた人を誰でも番組出演させるといった時代もありました。

当時は特に、コマーシャルがないので、音楽やトークがメインだったので、スポンサーを立てることがナンセンスとしていた時代。しかし、ラジオを「新聞や雑誌、広告板より優れた四次元目の広告」として展開し、成功を収めたのが元となったのです。

ココらへんは映画『キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語』を見てみると面白いですよ。

無料のルール

1.デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる

2.アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない

3.フリーは止まらない

4.フリーからもお金儲けができる

5.市場を再評価する

6.ゼロにする

7.遅かれ早かれフリーと競い合うことになる

8.ムダを受け入れよう

9.フリーは別のものの価値を高め合う

10.希少なものではなく、潤沢なものを管理しよう

フリーミアムの戦術

1.時間制限

2.機能制限

3.人数制限

4.顧客のタイプによる制限

まとめ

語りだすと止まらない作品となっている本書『フリー 無料からお金を生み出す新戦略』。無料の価値を上手に活かすことで、大きなビジネスになり大きく稼ぐことができます。

昨今で言えば、ユーチューブもそうですよね。動画を無料で見て、広告が前後、間に差し込まれる。作成者にお金を渡す代わりに彼らにコンテンツを作ってもらうというGoogleの上手なビジネスモデルです。

新しいビジネスに取り組みたい方は必見の本となっています。

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